現在フェアファックス郡の企業でCTOを務める友人は、郡の特徴として、巨大テック企業や研究機関の多さ、政府の近さ、イノベーティブなスタートアップ支援の活発さを挙げ、「シリコンバレーがプライベートセクターフォーカスなのに対し、フェアファックス郡はプライベートとパブリックセクター(政府中心)で成り立っている」と話す。
また、郡内で起業し、中堅企業向けの戦略的コンサルティングを手がける友人は、最新の機材も充実する公立・私立の学校について触れ、「教育環境の良さを気に入っている」と言う。
FCEDAによる手厚い支援
かつては農業中心の田舎町だったフェアファックス郡が発展した背景としては、Fairfax County Economic Development Authority(FCEDA)の貢献は見逃せない。では、実際にどのような支援が行われているのか。FCEDAのBusiness Investment – Asia PacificのAndrew Yu氏に聞いてみた。
そもそもFCEDAは、郡での企業の設立、拡大、または移転を促進することを目的とし、必要な支援を行っている組織だ。郡最大のビジネス地区タイソンズに本社を置き、ロサンゼルス、インドのバンガロールとムンバイ、ベルリン、ロンドン、ソウル、テルアビブにもオフィスを構えている。ソウルオフィスは2004年に設立されており、サムスンや韓国イノベーションセンターなど60以上の韓国企業が郡のコミュニティの一部となっている。
具体的な支援内容は以下の通り。
・オフィス開設支援
・事業開発サービスで、小規模、マイノリティ、ベテラン、女性所有の企業を支援
・資金調達希望企業とベンチャーキャピタルとのマッチング支援
・郡及び州の政府機関とのマッチング支援
・ポテンシャルパートナーやクライアントおよびコミュニティ組織の紹介
・フェアファックス郡およびバージニア州の規制機関との連絡役としてサポート
・スタートアップの立ち上げやコワーキングスペース、アクセラレーターのナビゲート
・郡内でビジネスを始めたい個人のための無料のワークショップ
・ビジネスカウンセリングサービスの提供
Tyson’s Corner Circa (写真:1953年) ワシントンDCのはずれにあった農業しかない田舎町だった