経済・社会

2020.08.02 08:30

新型コロナの本当の感染率と有効な対策について、みえてきたこと

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新型コロナウイルスの感染が拡大し始めて以来、どれだけの人がこのウイルスに感染したのかという疑問に答えを出すことは、依然として難しい問題になっている。公式の感染者数は、実際に感染した人の数の氷山の一角にすぎないだろう。

スペインでは調査の結果、人口のおよそ5%にあたる約230万人が感染していたとみられることが分かった。有病率は職業と年齢によって異なり、医療従事者では10%、子供で3〜4%と推計されている。この結果が示すのは、実際の感染者は公式に発表されている数(約25万人)の10倍に近い可能性があるということだ。

米国医師会雑誌(JAMA)に7月中に掲載された2本の論文もまた、スペインでの調査と同様の結果を報告している。米国内の10カ所で行われた調査によれば、血清有病率は平均およそ10%。人口が約3億3000万人であることから、感染者は3300万人近いと推定できる。

本稿事執筆の時点での米国内の感染者は、400万を少し下回る数だった。つまり、この時点ではスペインと同じように、実際の感染者は確認されている人数の10倍に近かったとみることができる。

警戒心が足りない?


それほど多くの人が感染し、さらにほかの人にも感染を広げているとすれば、その影響は甚大だ。幼い子供でも80歳以上の高齢者でも、年齢にかかわらず無症状の感染者たちが、私たちが思う以上に急速に、重症化リスクや死亡リスクが高い人にまで感染を拡大させている可能性が高いということになる。

私たちは自分がいる“バブル”(同一世帯で暮らす人など特定の人たちを包む“泡”)の外にいる人はすべて感染しているものとみなし、それに応じた行動を取る必要があるということだ。

当然ながらこのことは、引き続きソーシャルディスタンスを取ること、社会的活動・仕事に関連した行動を幅広く制限することが妥当だとする見解を正当化するものとなる。

また、10%という感染率は、集団免疫の獲得にいまだに希望を抱いている人たちに大きな問題を突き付けるものでもある。
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編集=木内涼子

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