──ツイッターとインスタグラムの発信ではどんな違いを意識しましたか。
柴田さん:宇都宮さんは弁護士として長年の実績があり、人柄を知ってもらうためにも、著書からこれまでの活動をまとめて発信していました。
また非常に分厚い総合政策集があり、こんなにも多くの政策をどうやって伝えるんだろう? と思いましたが、特に話題になりそうな政策を伝えるようにしました。例えば「グリーン・リカバリー」といった気候危機についての政策は宇都宮さんだけしか打ち出しておらず、他の候補者と差別化を図れるように、分かりやすく政策のバナーを作って発信しました。
宇都宮さんが掲げた「グリーン・リカバリー」政策のバナー
Mさん:インスタグラムの場合はツイッターのようにニュース性よりも、ビジュアルとして感覚的に見るので、宇都宮さんのことを好きになってもらうために本人の魅力を伝えるようにしました。
そのためには、まず魅力が何なのか。SNS担当のチームはチャットでよくやりとりをしていたのですが、長く宇都宮さんのボランティアをしている人が多く、愛されていることがすぐに分かりました。雑談からヒントを得ていったんです。
あんパンと牛乳が好きと分かると、日中一緒に行動するスタッフに「宇都宮さんが食べている映像をおさえてください」とお願いしました(笑)。ほかにも、自分でいつもiPadを持ち歩いて操作したり、選挙のたすきをかけたまま電車移動したり、素顔が見えるオフの写真や映像を撮ってもらって投稿しましたね。
逆に、選挙アカウントにありがちな、街宣の画で埋め尽くされるようなことはなるべく避けていました。街宣については、絶対に見てもらいたい「決めの演説」を選んでアップしました。
──インスタグラムのストーリーズの使われ方も印象的でした。
Mさん:一方的な発信ではなく、応援してくれる人たちとのコミュニケーションを生かしたいと思い、ストーリーズを多用しました。
そもそも自分が宇都宮さんを応援したいと思ったのは、毎日のように東京が抱えている課題の現場へ足を運んでいて「選挙は社会を変えていく運動のひとつにすぎない」という考え方に惹かれたからなんですね。だからインスタグラムも、選挙が終わった後でも見て学べるものであってほしいと思い、都政の課題を示す2分ほどの政策動画を投稿しました。それらの動画は、IGTVに保存して今も見られるようにしています。