1つめの数字は、5700億ドル(約59兆8685億円)。これは、アマゾンの時価総額が、2020年に入ってから7月までに増加した金額だ。
年初時点での時価総額は、およそ9200億ドルだった。その後アマゾン株は、新型コロナウイルスの影響を受けて3月に急落したが、のちに回復して、上場来最高値を何度か更新。現在の時価総額は1兆4900億ドルとなっている。
これによりアマゾンは、時価総額で世界最大企業の仲間入りを果たした。同社を上回るのは、時価総額1兆5400億ドルのマイクロソフトと、1兆6100億ドルのアップルだけだ。
2つめの数字は、63.3%。これは、2020年に入ってからのアマゾン株価の上昇率で、現在はおよそ3000ドルで取引されている。
アマゾン株価は、3月半ばに約1600ドルで底を打った。新型コロナウイルスの感染が拡大して、広範囲にわたってビジネスが休業し、株式市場が急落したためだ。しかし、3月以降は急激に回復し、7月6日にはアマゾン株の終値が初めて3000ドルを突破した。
同社の株価が「目にもとまらぬ速さ」で上昇したのにはいくつかの理由があると、モーニングスター(Morningstar)のアナリスト、R・J・ホットヴィー(R. J. Hottovy)は話す。それは、「(特にオンラインの食料品宅配サービスへの需要によって)プライム会員の登録者数が増えたこと」と、クラウドサービス(アマゾン・ウェブ・サービス:AWS)の利用率が堅調であることだ。モーニングスターは、アマゾンの適正株価を2750ドルと見積もっている。
3つ目の数字は、1800億ドル(約18兆9059億円:7月29日時点)。これは、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)の純資産額だ。ベゾスはアマゾン株の11.1%を保有しており、2020年に入ってからこれまでの純資産は50%以上も急増した。
ベゾスは世界一の富豪だ。米フォーブスの推定では、ベゾスの純資産額は2019年末の1147億ドルから1800億ドルに増加した。続いて世界で2番目に裕福なのはマイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツで、純資産額は1137億ドルだ。