コロナ後の経済回復、カギとなるのは小企業

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英シンクタンクのアントレプレナーズ・ネットワーク(Entrepreneurs Network)とニュージーランドのソフトウエア企業ゼロ(Xero)は先日発表した報告書で、新型コロナウイルス流行後の経済復興を促すには、生産性改善技術を活用する小企業を増やす必要があると指摘した。

「Upgrade: Closing the digital gap and lifting productivity for SME(アップグレード デジタル格差を埋め、中小企業の生産性を向上させる)」と題したこの報告書では、エンタープライズ・リサーチ・センター(ERC)のデータを用い、英国に110万社ほど存在するマイクロ企業(従業員が0~9人の企業)が主要なデジタル技術活用を倍増させれば英経済は約166億ポンド(約2兆3000億円)成長するとの見通しを示した。

これをマイクロ企業が雇用する409万人で割ると、1人当たり4050ポンド(約55万円)分の生産性向上につなげられる計算だ。これにより2008年の金融危機以降に失われた生産性の5分の4が回復し、コロナ後の急激な経済回復を促進できるという。

小企業は、新型ウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)に対応するため、店舗販売をネット販売に切り替え、遠隔勤務を導入しており、小企業でも大きなデジタル革新が可能であることを示している。報告書は、経済活動の再開後もデジタル移行を据え置き、適切なデジタルツールを最大限活用する小企業を増やすことが非常に重要だと指摘している。

報告書は「最近の出来事からは、非常に厳しい状況下でも企業が運営を続けられるようにする上でのデジタル技術の重要性が浮き彫りになっており、経済の正常化に伴い生産性を上げる上ではデジタル導入率の向上がカギとなる」と述べている。

報告書では、英国は世界でも特に革新的な経済大国の一つであり、オークノース銀行やデリバルー、レボリュートなど多くのテック系ユニコーンが本社を置いているにもかかわらず、実績のある技術を導入していない小企業は38%に上ることが明らかにされている。

ゼロ社の英国担当マネジングディレクター、ゲーリー・ターナーは「経済が再開し、小企業が再建を目指す中、私たちはデジタル格差を埋め、小企業の迅速な復興を支援しなければならない」と述べている。

編集=遠藤宗生

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