ビジネス

2020.07.30 17:00

地方スタートアップの生き残り策 コロナ禍で見出した「二刀流」の戦い方

trevary代表取締役 金城辰一郎


求められる決断力と軌道修正のスピード感


trevaryを諦めたわけではない。だが会社として持ち堪えていくためにはコストを掛けずに世の中が必要とするサービスを新たに開発する必要があった。新規事業発案に向けたミーティングを重ねる日々が始まった。
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思い浮かんだアイデアは約200にも及んだ。国内・海外情報を読み漁り、3月後半からの1カ月間はヒアリングやリサーチに時間を費やし続けた。同時に世の中で増加していたのはオンライン上でのサービス提供。セミナーイベントやスナックという空間をデジタル上に展開する人、ヨガなどのサービスを提供する個人などさまざまだ。この動きを金城氏は事業へのヒントとする。

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「決済からZoomの起動までワンストップにすることで価値が出せるのではないかという着想から始まりました。お金を払うのに2度手間、3度手間となってしまい、他のツールを活用して決済する必要もありました」(金城)
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イベントページの制作、決済、当日のリマインド機能。これらをワンストップで行うことで手間を感じていたサービス提供者が集うのではないかという仮説を立てて、最適化に向けて動き出した。

イベントをオンライン化したい。けれども会計などのバックオフィス業務が面倒と感じる提供者を支援するサービス。このコロナ禍に新たな動詞としても私達の生活の一部となった「Zoom」と連携しての事業展開を試みた。だがZoom連携の手続きは一筋縄では行かず、全てを英語化するなどハードルも非常に高かったと、金城氏はいう。サービスをゼロから作っていたため柔軟に対応して、サービスを築いていく。

5月3日からAPI検証を開始し、25日にはZoom連携の審査を提出するスピード感で動いていた。サービスは3週間ほどの審査を経て、6月中旬に開始。エンジニア、デザイナーのメンバー3人揃ってのミーティングは最初にZoomで一度だけ。一度も直接会うことなくオンラインのコミュニケーションだけでリリースまで行った。Withコロナ時代にも新しいサービスを生み出すことはできる。それを体現することとなった。再生回数に応じた広告収益で成り立っていたオンライン上のタレントにとって、新たな収益化のツールとして活用してもらうよう、今後は拡大を目指す。
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文=新川諒 人物写真=小田駿一

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