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米国政府は中国企業が運営する動画SNSアプリの「TikTok」の禁止措置を検討中だが、フェイスブックはTikTokのインフルエンサーたちに巨額の費用を提示し、引き抜きを画策している模様だ。

フェイスブック傘下のインスタグラムは、TikTokを模倣した動画シェア機能のReelsを8月に米国で導入するが、その立ち上げに向けて同社は、インフルエンサーの引き抜き工作を行っていると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

調査企業Sensor Towerによると、中国企業のバイトダンスが運営するTikTokのダウンロード数は今年4月に20億件を突破しており、インスタグラムは新機能のReelsで動画シェア機能を強化しようとしている。

WSJの記事によると、フェイスブックはTikTokのクリエイターらにコンテンツ提供を求めており、彼らの動画をインスタグラムで独占、もしくは先行公開する場合に、機密保持契約を結んだ上で、動画の製作費用を負担すると持ちかけているという。

フェイスブックは数十万ドル規模の金額を提示しており、Reelsでの独占公開に応じた者には、さらに大きな額をオファーしていると関係者は述べている。

フェイスブックの広報担当はフォーブスの取材に「当社は、以前から有力クリエイターたちとの交渉を進めており、インスタグラムから新たなスターを送り出そうとしている」と述べた。

一方で、TikTokはフェイスブックとインスタグラムに投稿者を募集する広告を掲載しており、先日は2億ドルの資金を用意して、クリエイターを支援すると宣言していた。

米国政府はTikTokが、中国政府にユーザーのデータを渡していると主張している。しかし、TikTok側はこの疑惑を繰り返し否定し、先日のCNBCの番組でも「当社はユーザーのプライバシーを第一に考えている」と述べていた。

米国のポンペオ国務長官は7月上旬、Foxニュースの番組で、「TikTokやその他の中国企業のアプリの禁止措置を検討している」と発言したが、米国の共和・民主両党の議員らは以前からTikTokが、国家の安全保障上の脅威になると指摘していた。

一方で、TikTokは中国政府から距離を置く姿勢を見せており、5月にはCEOにディズニーの動画ストリーミング部門を率いてきたケビン・メイヤーを起用していた。同社はさらに、7月に今後の3年間で1万人の米国人を雇用すると宣言した。TikTokの親会社のバイトダンスは、本社の中国外への移転を検討中と報じられている。

TikTokの米国内でのユーザーは4540万人とされ、2024年までに6000万人を突破すると予想されている。

編集=上田裕資

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