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企業家、テクノロジー、ビジネスをカバーするジャーナリスト。

Dudarev Mikhail / Bigstock



“釣り”は巨大な産業だ。アメリカ国内だけで、エサや釣り道具、交通費、宿泊費などに年間480億ドルが消費されている。

スウェーデン出身のアプリ開発者、ヨハン・アットビーは、このマーケットの大きさに目をつけ、FishBrainという釣り愛好家同士が交流できるアプリを開発した。会員数は世界で70万人を超え、ダウンロード数は100万を突破している。

FishBrainはスポーツフィッシング愛好家に特化したSNSだ。ユーザーは、自慢の釣果写真をシェアできる他、魚のサイズ、種類、釣った場所などのデータを記録したり、世界中の釣りスポットについての情報取得が可能。

特定の魚を釣るのに最適な時間を教えてくれる「FishBrain予報」や、世界中の釣り仲間と釣果を競う「Teams」といった新機能も人気だ。

開発者のアットビーはスウェーデンのチャルマース工科大学の博士課程を中退後、2000年にTificという法人向けITサポート会社を立ち上げた。その後、会社を米シリコンバレーに移し、2011年に同業のPlumChoicという企業に事業を売却した。

アットビーは売却後も18ヶ月間は会社に残るという契約にサインしたが、すぐに次の事業プランについて思いを巡らせた。「私は起業家だ。新しいものを創造するのが大好きなんだ」と彼は話す。

アットビーが作りたかったのは、特化型のSNSだ。ある日、新聞を読んでいて、釣りが世界で最も人気の高い趣味だという記事が目に入った。幼少期から狩猟や釣りに親しんだ彼は、この記事を読んでFishBrainのアイデアが閃いた。

ニッチな分野に特化したSNSはこれからの成長分野だとアットビーは考えた。フェイスブックやインスタグラムなど、普及の進んだSNSは、主に直接面識のある友人同士のコミュニケーションに使用されている。

その一方、釣りのような共通の趣味があれば、見知らぬ他人同士でのつながりが促進されるはずだ。

釣りに特化したSNSアプリはまだ普及していないことにアットビーは気が付いた。自分がこの分野でナンバーワンのアプリを作れば、他社が後から模倣をしても、追い抜くことは難しいと考えた。

「分野に関わらず、特化型SNSは一人の勝者以外は全てが敗者になる世界だ」とアットビーは言う。

FishBrianは魚の種類、重量、釣られた場所などのデータに加え、GPSと連動し、風向きや風速、水温や潮の流れといった詳細な情報を記録する。ユーザー同士は他人のデータをシェアすることもできる。これまでに蓄積された釣果データは25万件以上。ユーザーたちはこれらの情報を活用して、目的の魚を釣るのにより良い釣り場や時間帯を知ることができる。

現在はFishBrainを無料で配信しているが、今後は有料のプレミアム版も配信予定。特定の釣り場や魚に対して、どのルアーが最も効果的かといった、より詳細な情報を提供するという。さらに、釣具のオンラインショップとも連携し、その場で釣り具を購入できるサービスも追加する。「2016年までにはこれらのプランを実現させたい」とアットビーは話す。

これまでにアットビーは350万ドル(約4.1億円)をActive Venture PartnersやNorthzone、Almi Investなどのベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から調達している。アットビーは今後も積極的に資金の提供者を探してくとのことだ。

文=カーステン・ストラウス(Forbes)/ 編集=上田裕資

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