IVSは2007年にスタート。国内のスタートアップおよび上場企業経営者、ベンチャーキャピタルなどが一堂に会する完全招待制カンファレンスとして、年に2回開催されてきた。なかでも、シード期のスタートアップを中心としたピッチコンテスト「IVS LaunchPad」は、起業家間で「スタートアップの登竜門」として今も名を馳せている。
これまで、IVSは母体でもあるベンチャーキャピタル「Infinity Ventures」が中心となって運営してきた。そこをあえて切り離し、IVS単体で法人化したのは2020年1月のこと。代表CEOは、これまでIVSの運営スタッフとして関わり続けてきた島川敏明が務める。さらに、新たなボードメンバーとして、WEIN挑戦者FUND代表パートナーの溝口勇児、DRONE FUND代表パートナー/千葉道場ファンド代表取締役ジェネラルパートナーの千葉功太郎、East Venturesパートナーの金子剛士の3名も参画した。
しかし、今まさにコロナ禍の真っ只中だ。さまざまなイベントが延期・中止に追い込まれるなか、なぜこのタイミングでIVSは運営体制の刷新に踏み切ったのか。
さらに、7月30日〜31日に開催されるIVSは完全オンライン開催で決行。250名以上のスピーカー登壇、1000名の参加者によるネットワーキング、過去最多の応募があったIVS LaunchPad──。“新生IVS”の裏側を、代表の島川と、ボードメンバーの一人である溝口勇児に聞いた。
“新生IVS”がフォーカスするのは「若手起業家」
島川がIVSのボランティアスタッフとして参加したのは、2017年に宮崎で開催されたIVSだったという。
「もともとIVSは、スタートアップや上場企業の経営者、投資家がオフサイトで集まる完全招待制のカンファレンスでした。なので、僕としてはスタートアップのエコシステム発展に寄与したい気持ちで参加していたんです。
でも、回を重ねるごとに登壇者も参加者も、いわゆる“お馴染み”メンバーになっていくように感じていました。また、スタート当時に比べて、国内のスタートアップも投資家も増え、起業家が挑戦できるビジネスも細分化。わざわざ参加費を払ってIVSに参加する意味が薄れ始めていたんです」(島川)