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2020.07.29 08:30

「幸せを築く人を、幸せに」建築産業のDXを推進する、アンドパッドの思い

(左から)アンドパッドCFOの荻野泰弘、代表取締役の稲田武夫


約40億円の資金調達を実施


アンドパッドはこれまでに3度の資金調達を行い、2019年に実施された第三者割当増資では約20億円を調達している。
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また、2020年7月20日には、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とし、DNX VenturesやSalesforce Ventures、BEENEXTの既存投資家を引受先とする約40億円の第三者割当増資を実施したことを発表。今後は2020年9月を目処に、総額約60億円の資金調達を完了する予定だ。

4月にはミクシィで取締役CFOを8年近く経験している荻野も新たに加わった。荻野はマクロミルでCFOを経験後に現メルカリ取締役会長の小泉文明氏の後を受け継ぐ形で、ミクシィグループに転職。そして今度はアンドパッドに加わることとなった。経験豊富な人材は次のステージを目指す企業にとっては喉から手が出るほど欲しいものだ。その人材がなんと直接リーチしてきてくれる縁にも恵まれた。

「人類にとってもベーシックニーズと言われる衣・食・住という中で『住』という領域は、この日本でまだリーダーシップを張れる会社がいない。私は常にマーケットを宇宙から見下ろすように俯瞰的に見ていますけど、日本の中でなかなかないユニークなポジションだと思い、私の方から稲田に会いたいと言ってこのオフィスにふらっと会いにきました」(荻野)
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アンドパッドは資金調達のシリーズBを終えた頃から更なる飛躍のためにはCFOの存在は必要不可欠と考えていた。1年以上もこのポジションを埋めようとしてきたが、探して見つかるポジションでもなかった。そんな中で急に縁が結ばれたのが荻野だった。

アンドパッドには業界のリーダーシップを取っていくための材料が整いつつある。今後更なる飛躍に必要なのはビジョンに時間軸をつけ、解像度を上げ、社内全体を強くすることと稲田は強調した。

建設業界の未来を良くするためには、働く人の未来を見据えること


業界として更なる成長を遂げていくためには、人手不足という課題が立ちはだかる。

建設業界は土木と建築に、そして建築業界は住宅と非住宅に分かれ、それぞれマーケットに特徴がある。住宅業界の未来を考えると、新しく家を建てる新築着工棟数は減少傾向にある。その一方で今まで建てられたものをリノベーションしたり、空き家を再活用したりする市場は広がりをみせている。

「建築需要が一気にダウントレンドに向かうかといえば、現実はそうなってはいません。それなりに堅調だと思います。需要の減少よりも労働者不足がより大きな課題です」

建設業界は今後、90万人の人手不足が見込まれているが、その大きな理由が高齢化だ。55歳以上の労働者割合が30%以上を超えており、ほかの産業と比べても高い数字になっている。また、他産業比較で生産性が低いとされているにもかかわらず、日本で2番目に大きな市場規模を誇る。これを改善していくため建設業界には変化が必要だと、稲田はいう。

「建築業界がIT化によって構造変化されていくことが日本にとって最も大事なイシューの1つだと考えている。起業した時からその思いは変わっていません」(稲田)


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文=新川諒 人物写真=小田駿一

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