中国IT大手バイトダンス傘下のティックトックは23日の発表で、支給の仕方や資格者など詳細についてはあまり明らかにしなかった。ただ、少なくとも一部はマイノリティーグループのユーザーに割りあてられるのかもしれない。
というのも、発表によると最初の対象クリエーターには、LGBTQのコメディアンであるボーマン・マルティネス=リードや、家族生活やヴィーガニズム(完全菜食主義)をテーマにした動画で有名人になったタビサ・ブラウンらが選ばれているからだ。
折しもティックトックは多方面の戦いの渦中にある。トランプ米政権はティックトックについて、中国政府とデータを共有するおそれがあるとして禁止を検討。ユーザーたちは投稿先としてほかのプラットフォームも探るようになっている。
彼らティックトッカーのなかには、フォロワーに「Instagram(インスタグラム)」などでもフォローするように呼びかける人や、「Dubsmash(ダブズマッシュ)」や「Byte(バイト)」といったほかの動画投稿アプリに乗り換えている人も出てきている。
ユーザーを引き留めるのにいちばんよい方法は、収益化の道筋をはっきり示すことだ。インスタグラムなどはそれに苦戦しており、インフルエンサーにとっては相変わらず「YouTube(ユーチューブ)」の広告共有方式が最も手っ取り早くマネタイズできる方法となっている。
一方、メキシコ料理チェーンのチポトレやコスメブランドの「e.l.f(エルフ)」などは、すでにティックトックのスポンサードコンテンツに広告費を支払っている。これはインフルエンサーが商品などの広告動画を投稿する代わりに、その企業から報酬を得る仕組みで、スター級のインフルエンサーになるとその額は10万ドルを超えることもある。ただ、この取引は普通、企業側とインフルエンサー側の間で行われるため、ソーシャルメディア企業は脇に置かれることになる。
ティックトックの2億ドルファンドはそれとはまた違った趣向で、おそらくインスタグラムやユーチューブもこれまでやったことのなかったものである。理論的には、これによって、ティックトックで活躍するクリエーターが増えてくると考えられる。