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新型コロナウイルスの流行下で旅行客がホテルにチェックインする際、自分が触れる場所がきちんと清掃・消毒されているどうかが気になるものだ。大半のホテルでは、ウイルスが付着する可能性がある布製品を撤去するなどの対策を強化してきたが、ベッドのマットレスは多くの場合、対策が施されてこなかった。

そうした中、ホテル向けマットレスのシェア1位のサータ・シモンズ・ベディング(Serta Simmons Bedding)が、布地のイノベーションで業界をリードするハイキュー・グループ(HeiQ Group)と提携し、米国初の抗ウイルスマットレスを開発すると発表した。

サータ・シモンズ・ベディングのデービッド・スウィフト会長兼最高経営責任者(CEO)は「当社がホスピタリティーと医療業界に抱えるパートナー企業各社は、最大限清潔な環境を提供して客を安心させるため、可能な限りのあらゆることを行っている」と指摘。「抗ウイルス・抗菌のマットレスはその取り組みに大きく資するだろう」と述べた。

このマットレスに使われる「ハイキュー・バイロブロック(HeiQ Viroblock)」と呼ばれる技術は、医療用個人用保護具(PPE)に抗ウイルス性を持たせるものとして欧州医療機器指令(MDD)の承認を受けており、ドイツ環境保護庁には抗ウイルス作用を持つと登録されている。

さらに同技術は、メルボルン大学とロイヤル・メルボルン病院が共同設立したピーター・ドハーティー感染・免疫研究所による最近の試験で、新型コロナウイルスを30分で99.99%死滅させることが証明された。

同技術は、米食品医薬品局(FDA)と米環境保護庁(EPA)から販売目的の承認を待っている。同社は今後、同技術を用いたマットレスを「サータ・アンド・ビューティーレスト・ハイキュー・バイロブロック」として発売する予定だ。米国やカリブ海地域でアロフトやハイアット・プレイスなどさまざまなホテル運営を請け負うエイムブリッジ・ホスピタリティー社が既に関心を寄せているほか、さらに複数のグローバル企業が興味を示しているものの、協議がまだ初期段階にあることから具体的な社名は公表されていない。

この技術の仕組みをできる限り簡潔に説明すると次のようになる。ウイルスを引きつけるマイクロシルバー技術と、ウイルス膜を破壊するベシクル(小胞)技術を組み合わせ、マットレスの布地に織り込むことで、ウイルスが磁石のように引き寄せられ、分解される。

経年劣化試験では、ハイキュー・バイロブロックを使った布地の抗ウイルス性は3年間、抗菌性は20年間保持されるという結果が出た。マットレスは自宅用にほしい人のために消費者向けにも販売される予定だ。

編集=遠藤宗生

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