バーバリーの同期の売上高は、新型コロナウイルスのパンデミックによる外出規制や店舗閉鎖などの影響を受け、前年比でほぼ半減。2億5700万ポンド(約348億円)となった。
閉鎖中の店舗数が最も多かった3月末と比べ、営業を再開した店が増えたことにより、6月末にはグループ全体への影響はいくらか和らいでいるという。同月の売上高の減少幅は、前年比20%にまで縮小している。
ただ、同社は7月15日に発表した声明で、小売業は引き続き、「旅行者数がごく少数にとどまり、店舗運営は激しい逆風にさらされることになる。一部の店舗は営業停止や営業時間の短縮を続けることになる」との見方を示している。
バーバリーのマルコ・ゴベッティ最高経営責任者(CEO)は、自社の業績が「危機発生以前の水準に戻るまでには、時間がかかる」と認めており、その重大な要因として、各国・地域間の旅行が制限されていることを挙げている。
欧州市場で高い依存度
その他の高級ブランドと同様、バーバリーの成功にとって、旅行者は一部の市場、特に欧州において不可欠な存在だ。今年第1四半期はその欧州で、売上高が前年比およそ74%減という最悪の状況となった。
一方、南北アメリカは同70%減となり、同じように大きな打撃を受けたものの、すでに回復傾向にある。また、アジア太平洋地域は同10%の減少にとどまり、6月には前年比でプラスに転じている。
バーバリーのジュリー・ブラウン最高執行責任者(COO)兼最高財務責任者(CFO)は投資家向けの決算説明会で、次のように述べている。
「EMEIA(欧州、中東、インド、アフリカ)地域は、最も旅行者への依存度が高い市場です。特に、ロンドン、パリ、ミラノなどの都市は旅行者に大きく影響を受けます」
「わが社の欧州事業においては、売上高の半分近くが旅行者によってもたらされていますが、旅行者が90%近く減少しました」「旅行者の移動、特に長距離の移動には当面、強い圧力がかかることになるでしょう」
「EMEIAでの売上高が今年6月にも前年比で55%減少したのは、旅行者の減少が主な理由です」