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それで将来のために「MBA(経営学修士)」の勉強を始めようと思ったタイミングで、貿易会社を上海で経営していた父が倒れたんです。父から「会社を継ぐことを強制はしないし、お前は何がしたいんだ?」と病院で問われたとき、「どっちでもいいよ」って素っ気なく答えたんです。

その半年後にまた父が倒れて、会社を売却することはできるけど、本当は自分に会社を継いで欲しかったみたいで『十数年とこの城を守っていた』と言われて。MBAをとるか、父の会社を継ぐか。この2択しか道はないと感じていました。当時、駐在期間が残っていましたが、素直に将来の方向性が異なること、父親の会社を継ぎたいことを伝えたら、会社を辞めることができました。

私が父に対して強い憧れの気持ちを抱くのは、父の会社が倒産寸前になった過去があり両親が貧乏な生活をしていたにもかかわらず、自分にはその素振りを一切見せず、自分が大学で何不自由なく生活できていたことを知ったからです。その事実を知ったとき、「将来、必ず恩返しがしたい」という思いが湧きました。これが自分の起業の原点です。父の会社を継ぐときもその会社よりも稼いで、恩返しする気持ちもあり、日本で新しい会社を立ち上げたのです。

「コンプレックスを抱えている人たちをサポートしたい」


「三菱商事に行って、何でいきなりパーソナルジムなの?」とよく言われますが、これまでの人生の経験からパーソナルをやりたい思いが芽生えていきました。

メキシコの駐在から帰国したとき、10キロ太ってしまったんです。当時、ライザップに通い、150万円かけて1年で身体を絞ろうとしていました。しかし、ダイエットの過程で、次第に自分でもやれないかと考えるようになりました。

痩せたらカッコよくなりますが、上半身裸で歩き回るわけでもないし、髪型、服装も大事なんですよね。実際、自分が中国から日本に来たとき、見た目でイジメられることが多かったのですが、髪型を変えたらイジメられなくなったんです。この経験が今にも活きていて、コンプレックスを解消した喜びを感じてもらえる機会が提供できる「トータルプロデュース」が、世の中にも必要だと思ったんです。

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3年前、ライザップとほぼ同じクオリティのサービスを半額の20万円で提供し始めました。当時、100人の利用者がいて2店舗で合計2000万の売上がありましたが、入会率が50%という状態だったんです。

実際に入会しない理由を聞いてみると、「やってみたいけど値段が高い」、「家から遠くて通うのが大変だ」という理由が大半を占めていました。

どうやってコストを抑えて、満足度を高めるか。そこを軸に事業モデルを考えた時に、1時間の半分をパーソナルにして、もう半分をエステマシーンに任せようと考えたのです。こうすることで稼働率をどんどん上げ、無駄をなくしていきました。

パーソナルに重きを置きすぎると人が限られている分、効率が悪くなる。このシステムを導入したことで、2万9800円という金額が実現でき、お得に感じてもらえるようになった結果、毎月新規の利用者が増えていっています。

文=池田鉄平 写真=小田駿一 レタッチ=上住真司

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