欧州きっての広さを誇るウエストフィールドに追加のスペースを持つことで、より多くの客がハロッズの両店舗で安全に買い物を楽しめるようになる。また、バーゲン狙いの客はハロッズ・アウトレットに絞ることで、旗艦店の従業員は同デパートの多くの高級品購入者に集中できる。
ハロッズは、両店舗の間に大きな区別を設けることは望んでいない。同社は、ウエストフィールドでのショッピング体験は旗艦店と同じだと指摘した。同社の広報担当者はフォーブスに対し、「ハロッズ・アウトレットの開店から数日間の買い物客はさまざまな顧客で構成されていた」と述べている。
ハロッズでファッションディレクターを務めるリディア・キングは「当社は究極のぜいたくを提供することで知られていて、アウトレットも例外ではない。これは、提供されているコレクションのレベルの高さによるものだ」と述べた。
ハロッズのアウトレットは、100以上のファッション・アクセサリーブランドを抱え、12万点ほどの高品質な商品を販売している。そのため同社は、「誰もが満足するものがある」と述べている。
販売エリアの拡大へ
新型コロナウイルスが今年小売業界にもたらした悪影響がなければ、ハロッズは地理的な多角化を通じて活性化の道を歩んでいた。同社は過去1年で、会社の中核ビジネスの一部を初めてナイツブリッジ旗艦店から移動させることを発表している。
このコンセプトは、ロンドン東部の都市エセックスのショッピングモール、イントゥ・レークサイド(Intu Lakeside)における美容用品店H Beautyの初オープンや、上海のザ・レジデンス(The Residence)におけるパーソナルショッピング体験の提供を通して実現される予定だ。両プロジェクトは、今年後半に導入されることになっている。
イントゥ・プロパティーズ(Intu Properties)と複数のグループ企業は、英国のロックダウン(都市封鎖)によって賃貸の支払いに影響が出たことにより6月末に破産を申請したが、同社のショッピングセンターは営業を続けている。