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Scott Olson/Getty Images

米大統領選に立候補しているジョー・バイデンは7月14日、「クリーンエネルギー革命と環境正義のための計画」を発表した。バイデンはその際、ロシア、サウジアラビアなどの世界の産油国は、11月3日に実施される大統領選で自分を応援してくれるだろうと自信をのぞかせた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、サウジアラビアのサルマン国王および息子のムハンマド皇太子は、自国を維持してみずからの富を築くために石油価格の上昇を必要としている。彼らにすれば、もっとも確実に高価格が実現する手は、バイデンが大統領になることだ。

筆者は1年ほど前の記事で、ロシアとサウジアラビアは民主党の候補が大統領選に勝つことをひそかに願っていると書いた。どちらの国の経済も、石油と天然ガスの生産・販売に依存している。ロシアでは、石油・ガスセクターが国庫収入の40%近くに貢献し、輸出の半分以上を占めている。サウジアラビアでは、石油・ガスセクターは国のGDPのおよそ半分、輸出の70%を占めている。さらに、同国の国営石油会社サウジアラムコ(Saudi Aramco)は、政府収入のおよそ60%を占め、サウジアラビア全労働者の70%近くを政府が雇用している。

新型コロナウイルスが流行している現在、産油国にとって、近い将来に石油価格が上昇することは、流行以前よりもいっそう重要になっている。産油国にとって理想的な状況は、直近では2014年に見られた3桁の価格を実現することだ。そしてそれを実現するもっとも簡単な方法は、米国に生産量を削減させることだ。

バイデンは当初、ロシアとサウジアラビアの利になるそうした環境政策に熱心な候補のようには見えなかった。民主党の主要候補のなかでも、バイデンのエネルギー政策は最も限定的であるように見受けられた。

現在でもバイデンは、米国の石油生産については多くを語っていない。バイデンが新たに発表した政策のために割かれた長いウェブページでは、フラッキング(水圧破砕法)についてはまったく触れられていない。とはいえバイデンは、ドナルド・トランプ大統領と自身との違いを鮮明化している。トランプ政権下では、2019年のこの時期までに、米国の石油生産量は33%以上増加していた。バイデンは大統領に就任したら、国立公園と国立モニュメントに関する大統領権限を初日に行使し、「国有地や国有水域での新規の石油・ガス掘削を禁止する」と明言している。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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