1枚1万円。高級クチュールメゾンAKRISがマスクに込めた想い

AKRISのマスク(テラコッタ色)


そのAKRISが発売するマスクは──。

まず注目したいのは、ブラック、ホワイト、グレー、ブルー、オレンジなど、コーディネートに合わせて選べるカラーバリエーション。モデルが身に着けているのは、オリーブ色とテラコッタ色のアースカラーだ。植物や大地など自然を思わせるカラーリングは、装いを選ばないのはもちろん、どんな肌の色にもすんなりとなじむだろう。



次に素材は、AKRISらしくスイス産のコットンボイル100%を採用している。張りがありながら、さらりとした肌触りのコットンボイルは、着け心地よく快適に過ごせることだろう。

フォルムは、上下にプリーツがあしらわれて顔をすっぽり覆うことができるタイプと、鼻・口部分にぴったりフィットする2タイプが用意されており、ともにアジャスターで紐の長さを調節することができる。


ファッションマスクは全国のAKRIS 及び AKRIS punto 店舗で発売中。各10000円(税別)/AKRIS

そしてこのマスクの最大の特徴は、このマスクの収益の50%が新型コロナウイルスのために被害を被ったこどもたちを支援する基金、The Children’s Defense Fundに寄付されるということだ。このプロジェクトは日本のみならず、グローバルに行われるというから、大きく社会貢献できるチャンスとなるだろう。

この、誰かの役に立つから、社会に貢献できるから、購入したいという言わば利他的な消費意欲は、ウィズコロナ時代に図らずも私たちが体得した数少ない“よいこと”のひとつかもしれない。それ以前も、たとえばサステナビリティへの取り組みはファッションブランドの生存競争に欠かせない要素となるなど、ファッションが単なる自分の外見を装うだけのツールではなく、自らの思想やライフスタイルそのものを表現する包括的なツールへと変化する動きはあった。

自らの消費にともなって得られる、「誰かの役に立っている」「地球環境や社会に貢献している」というポジティブな感情報酬は今後のファッション業界を牽引する大きなモチベーションとなっていくだろう。一枚のマスクから、これからのファッション業界の在り方へ思いを馳せてみた。

Text by Miyako Akiyama

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