ビジネス

2020.07.28

異色の企業コラボ 「新時代のビジネスウェア」大ヒットの理由

IT-JACKET PROJECT


応援購入が切り開いた、IT-JACKET PROJECTの未来


本プロジェクトを成功させるにあたって最後に残った大きな課題はプロモーションだった。あくまでもトライアル企画としてスタートしており潤沢な予算があるわけではなく、両社のリソースやコネクションをフル活用しながらも、短期間でターゲット層へダイレクトに訴求するには弱いと思っていたところにオプト社から提案されたのがMakuakeだった。

IT業界人やガジェット好きな方々から人気が高く拡散性も期待できることや、「購入」ではなく「支援者」になることでプロジェクトの将来にわたって先に繋がる関係を築ける可能性もあり、すべてを賭ける決断をすることになった。

また、当時は大手ファッションブランドのクラウドファンディング実施はあまり過去に例が無かったことで、その新しさもIT-JACKET PROJECTにふさわしいものだと感じられた。その後は、「Studio Opt」が抱える多様なクリエイターの協力により、ターゲット層である彼らが欲しいと思えるようなクリエイティブを目指してMakuakeページやプレスリリース用素材などが制作されることになった。

遂にデビューしたIT-JACKET PROJECTによるITビジネスマン向けセットアップスーツはプロジェクト公開から1日で支援額250万円を突破、最終的には支援人数のべ約360名、受注金額は920万円を超え、目標達成率は1846%を記録。このニュースはファッション業界では驚きをもって伝えられ、新しいプロモーション手法の始まりと報道されるに至った。



そして、本プロジェクト第二弾としてこの度Makuakeにて「Multi effect T-Shirts」をリリースした。そのテーマは、「意外となかった。ジャケットを脱いでも仕事着として成立する、“涼しく”て、“機能的”で、かつ“きちんと見え”する、ITビジネスマンのためのTシャツ」だ。

図らずも新しい生活様式が求められる現在、リモートワークやオンラインミーティングの拡大など急速に変化するビジネス&ライフスタイルの中でIT-JACKET PROJECTの目指したヴィジョンはますますその価値を増していると考えており、これ以降も旧来のファッションの常識にとらわれず社会的意義のある商品展開を継続していきたい。


齋藤 玲緒奈(さいとう れおな)◎アバハウスインターナショナル マーケティング部長。明治大学経営学部卒。アバハウスインターナショナルに新卒入社後、一貫してプレス・販促としてキャリアを重ね、同社が抱える幅広いターゲット・年齢層のブランドプロジェクトに従事。新ブランド立上げからブランド再生、CRM、EC連動施策、店舗・顧客分析など社内コンサルティング全般を担う。

編集=新國翔大

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