米政界で再注目のオバマ、「バイデンのデジタル戦略」を支援

バラク・オバマ/ Getty Images

米国の前大統領のバラク・オバマは、2017年1月の退任以降は政治的な発言を控え目にしていたが、2020年の米国大統領選が近づく中で、再び政界での存在感を発揮し始めている。オバマは間もなく、妻のミシェル・オバマがスポティファイで立ち上げるポッドキャスト番組の初回のゲストとして出演する予定だ。

ここではまず、直近の数カ月のオバマの動きを振り返ってみよう

4月14日:オバマはツイッターに投稿した動画で、2020年の米国大統領選挙において民主党のジョー・バイデンを正式に支持すると表明した。オバマは、民主党の候補指名争いで長らく沈黙を貫いていたが、彼がバイデン支持を発表する直前の4月8日に民主党のバーニー・サンダースが選挙戦からの撤退を表明していた。

5月8日:オバマは自身の政権で働いた人々との電話会議で、トランプ政権のコロナ対応が「混沌としている」と批判した。彼はさらに、ロシア政府との接触についてFBIに虚偽の証言をした罪に問われたマイケル・フリン前大統領補佐官の起訴を、司法省が取り下げた件で「法の秩序が損なわれている」と発言した。

5月16日:オバマは高校の卒業式のスピーチで、トランプ政権がリーダーシップを発揮していないと批判した。「国のトップにいる人々は、何をすべきか分かっていると思われていたが、実はまったくそうではなかった」と彼は発言した。

6月1日:オバマはミディアムの投稿で、ミネアポリスで警察官に拘束されて死亡した黒人男性のジョージ・フロイドや、その後発生した抗議活動についての意見を表明し、人々に対し投票を呼びかけ、「国民の願いを実現する政治リーダーを選ぶべきだ」と訴えた。

6月23日:オバマはバイデンと共同で開催した資金集めのオンラインイベントで1100万ドル(約11億6000万円)を調達し、人々に行動を促した。彼は、全米に広がった抗議デモについて、トランプ政権が「平和的な参加者に対し軍事的な対応をした」と批判した。

7月23日:オバマはバイデンとの15分間の会話を収録した動画に出演し、パンデミックへの対応や、医療保険制度改革、経済刺激策やBlack Lives Matterムーブメントについて話し、トランプを批判した。

オバマは7月29日にスポティファイで配信される、ミシェル・オバマのポッドキャスト番組「The Michelle Obama Podcast」に出演する。番組の説明文によると、2人はジョージ・フロイドの死を受けて発生した抗議デモや、パンデミックへの政府の対応について話し合うという。

スポティファイは昨年、オバマ夫妻が立ち上げた製作プロダクションの「Higher Ground Productions」と契約を結んでおり、今回初めてオバマのポッドキャスト番組を配信する。

今年5月にオバマの側近を務めた人々は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に、オバマが、バイデンの選挙キャンペーンに積極的に関わっていくことになると述べていた。オバマはバイデンと頻繁に連絡を取り合っており、彼のデジタル戦略に関わっているとされた。

編集=上田裕資

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