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(中央)池田武弘LTE-X 代表取締役CEO/工学博士、(左)伊藤可久LTE-X 取締役CTO、(右)山中 陽介モバイル・インターネットキャピタル パートナー

IoT機器が普及し、あらゆるものがインターネットにつながる時代、高速通信の5Gの登場で社会インフラの進化はさらに加速するとも言われている。しかし何もかもがつながるということは、セキュリティ・リスクを高めることでもある。

そんなリスク蔓延時代に対し、携帯電話のコア技術であるLTEを応用することでセキュアなインフラ、端末管理を実現するのがLTE-Xの独自技術「LTE over IP」だ。


今回は代表取締役CEOであり、工学博士でもある池田武弘(以下、池田)と、取締役CTOの伊藤可久(以下、伊藤)のふたりに、同技術の革新性について聞いた。


すべてがつながるというリスク


「人が使うパソコンやタブレットなどはもちろん、工場内のロボットやセンサーなど多種多様な機器がネットワークに接続されるIoTの時代が到来しました。それにより大量のデータの収集・解析をもとにした的確な経営判断が行えるようになり、新しい価値創造につながる発見も増えています。しかしその一方でネットワーク内にウイルスが侵入する危険性や情報漏洩のリスクも加速度的に増大しています。先だっては日本の大企業による、政府に関する情報漏洩事故が報告されました。セキュリティ対策が万全と目されている先進企業でも、リスクに晒されている現実があるのです」

そう警鐘を鳴らす池田は、かつてNTTドコモで携帯電話システムに関する要素技術の研究開発を行い、その後、スタンフォード大学との共同研究にいそしみ、帰国後は、無線通信アグリゲーションサービスを提供するワイヤレスゲートを創業した人物。「通信の次はセキュリティ」とLTE-Xを立ち上げた。

彼は、企業向けの強固なセキュリティシステムを実現するためには、現在普及しているアンチウィルスソフトやファイアウォールソフトなどのエンドポイントでのセキュリティ対策アプローチではなく、別のアプローチが有効だと言う。

「インターネットで使用されているネットワーク方式は、IP(インターネットプロトコル)網です。ローコストであらゆる機器・端末をつなげることには長けていますが、基本的にID・パスワードで認証を行うので、なりすましを完全に防ぐことは難しく、厳格なセキュリティ構築には向いていません。

そこで着目したのが、現在の携帯電話で使われているLTEプロトコル群です。電話システムは、もともと一対一のセキュアな接続を目指したネットワークで、機密性が非常に高い。だから、電話システムの技術をインターネットに応用することにしたのです。

LTEは“携帯電話で使う技術”と思われていましたが、弊社が世界で初めて開発した『LTE over IP』により、汎用的なIPネットワーク上でも利用可能となり、多様なシーンで電話システムの安全性・堅牢性の恩恵を受けられるようになりました」


池田武弘|LTE-X 代表取締役CEO/工学博士
大阪大学大学院博士後期課程修了、1999年にNTTドコモ入社。米国スタンフォード大学客員研究員を経て、2004年ワイヤレスゲート(東証一部)、2016年LTE-Xを創業。現在、両社の代表取締役を兼務。


キャリアによっては4G LTEという呼称も採用しているので、LTE=4Gと誤解する人も多いが、LTEを実現しているプロトコル群は、4Gに留まらず、その堅牢さゆえに5Gの時代となったとしても、変わらず使い続けられる技術だという。

池田と同じく、通信技術の研究開発を行ってきた生粋の技術者であり、LTE-XでCTOとして「LTE over IP」を3年がかりで完成に導いた伊藤は語る。

「弊社の技術陣は、通信キャリア関連企業の出身者で、携帯電話技術に習熟した人間が揃っています。そして同時にインターネット技術にも精通している。それぞれの長所・短所を知るメンバーだからこそ、なし得た技術だと思います。世界中でLTEプロトコル群は使用されていますが、この『LTE over IP』は世界中でただひとつの弊社の技術です」(伊藤)


ベンチャーキャピタルの目線
──強い技術とパテント戦略──
山中陽介|モバイル・インターネットキャピタル パートナー

まずシリアルアントレプレナーである池田社長をはじめとして、プロフェッショナルなメンバーが集まっているのがLTE-Xの魅力です。通信の基礎的な技術の理解が必要なため、簡単に他社が参入できない領域で、LTE-XとMICは、設立当初からパテント戦略をつくり上げてきました。魅力的なチームと戦略が融合し、LTE-Xは高いビジネスポテンシャルをもつ企業になったと信じています。さらに大きな魅力となっているのが、「社会に役立つ会社になる」という企業理念です。この「LTE over IP」は世界に挑戦できる価値があると信じています。


山中陽介◎モバイル・インターネットキャピタル パートナー。東京大学大学院 修士課程修了。東日本電信電話にて医療機関向けシステム導入やヘルスケア業界向け新規ビジネスに従事。2015年11月より現職。


携帯電話技術で守られたセキュアな空間


新型コロナウイルスの蔓延で、リモートワークが急激に普及している。そこで企業が頭を抱えているのが、リモートワークソリューションだ。

物理的なオフィス空間ではなく、自宅などの外部から社内ネットワークにアクセスすることのリスクは当然高い。

「通常はVPN(仮想ネットワーク)を導入する企業が多いと思うのですが、それはやはりID・パスワード管理を主軸にしたIPネットワーク上の技術なので、どうしてもセキュリティ・リスクは拭えません。しかしSIMで接続端末を特定できる『LTE over IP』ならば、外部から閉ざされたローカルネットワークに社内外からセキュアにアクセスすることが可能になるのです」(池田)

実例を挙げると、すでに外勤営業スタッフが「LTE over IP」技術を活用していた企業が、今回の新型コロナウィルスの拡大をうけ、その範囲を内勤スタッフにも拡大したり、コールセンターでの3密を防ぐため、ホテル客室を就業スペースとして活用することになった大手通販企業が、通話と社内在庫システム連携のために「LTE over IP」技術を活用したりしているという。

「しかも実際のユーザーにとっては、SIMカードによる認証なので、IDやパスワードを入力する必要がなく、PCやタブレットなどの端末の電源を入れるだけで、ネットワークに接続できる利便性もあります。利用者にリテラシーを要求しない分、導入しやすいと思います」(伊藤)

確かにどんなに強固なセキュリティを実現したとしても、利用者に高い知識を要求することになっては、普及はおぼつかないものだ。その点でも「LTE over IP」のアドバンテージは大きい。

「しかもこの技術は、世界中で使用されているインターネットプロトコルの上に構築するものなので、全世界をカバーできるポテンシャルを持っています。通信技術というものは、さまざまな人やシステムをつなぐために、汎用性が欠かせません。国境なくつなげる技術を実現するため、国際標準となっている技術を視野に開発するのが通常です。したがって現状のサービスは日本のみで提供していますが、国際的な展開に向けても大きな可能性が秘められていると思います」


伊藤可久|LTE-X 取締役CTO
慶應義塾大学政策・メディア研究科修了後、2011年に日本電信電話に入社。17年より現職。


コロナ禍でいま、世界は分断化される傾向にあるが、経済はすでにグローバルが標準だ。大企業でなくとも、海外取引先があることは珍しくない。国内外含めてセキュアなネットワーク環境を構築する必要も日に日に高まっている。

池田はこの「LTE over IP」こそが、デジタルで覆われつつあるすべての企業に必要なセキュリティ問題を解決する、現実的な選択肢なのだと語る。

「大企業なら、高価な機器を導入し、情報システム部門が管理するような対策は可能です。しかしすべての企業がそのためにコストをかけ、人的リソースを割くのは、現実的ではありません。そんなときに、シンプルな仕組みで利用できる『LTE over IP』が役に立つはずです」(池田)


ベンチャーキャピタルの目線
──技術の使い方で世界に革命が起こせる──
山中陽介|モバイル・インターネットキャピタル パートナー

「LTE over IP」は、「複雑なネットワーク設定は必要ありません」と言える画期的な技術です。中小企業の大半は、コスト・人材の課題を解決できるこの技術を待っていたと思います。すべての企業に厳格なセキュリティ対策を求められる情報化社会では、これはもう立派な社会貢献です。これまでMICは、既存ITのパラダイムをシフトするような技術を支援してきましたが、LTE-Xはすでにある技術でも、使い方次第で世界に革命が起こせることを気づかせてくれました。MICのto Bネットワークを使ってのスキームもつくりやすく、協業したのは、大成功でした。



モバイル・インターネットキャピタル
https://www.mickk.com


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Promoted by モバイル・インターネットキャピタル / text by Ryoichi Shimizu / photograph by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro

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