経済・社会

2020.07.27 06:30

コロナ規制緩和で、米国のプライベートジェット業界が活況

Getty Images


プライベートジェットとチャーター機を運航するマゼラン・ジェッツ(Magellan Jets)のプレジデント、アンソニー・ティヴナンは、過去90日間について、「国内行きの依頼や新規顧客の獲得が大きく伸びている」と述べた。同社では、6月の獲得顧客数が117%も増えている。
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「米国には、資産が200万ドル以上の世帯が820万ほど存在する。彼らの大多数がこれまでは、プライベートジェットを利用してこなかった。しかし、健康と安全性が不安視されたことで、考え方が大きく変化している」

アメリカン航空をはじめとする一部の民間航空会社では、中央の席を空席にする措置を撤廃しており、これまで民間航空機を利用していたが、いまは利用を希望しない人が出てきている。加えて、プライベートジェットを利用すれば、旅行を通してもっと自由が利くようになる。保安検査場で手荷物検査を受けたり、チェックインするために並んだりする必要がなくなるからだ。

プライベートジェット運航会社グローブエア(GlobeAir)によれば、チャーター機を利用すると、新型コロナウイルス感染症に感染するリスクは推定で30分の1になるという。
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コロナ前とは異なる目的地


プライベートジェットはこれまで、ビジネス客の移動に使われたり、節目となる誕生日やスポーツ観戦のようなイベント向けにチャーターされたりしていた。しかし現在は、乗客を米国内の目的地へと運んでいる。

プライベートジェット運航会社モナーク・エア・グループ(Monarch Air Group)では需要が増え、予約フライト総数で見ると、1年前の2019年6月と比較して125%増となった。また、2020年6月に確定したチャーター機契約のうち、52%が新規の顧客だった。

モナーク・エア・グループのプレジデント、デイヴィッド・ギトマンは、「以前はニューヨーク市からハンプトンズ(ニューヨーク州北東部の有名リゾート地)まで乗客を運んでいたが、今は、フロリダ州とハンプトンズのあいだを飛ぶようになった」と話す。「これまではプライベートジェットを利用しなかった人がチャーターしている」

マゼラン・ジェットでも、ワイオミング州ジャクソンホールやモンタナ州ボーズマン、コロラド州アスペン、ノースカロライナ州やサウスカロライナ州、ジョージア州サバンナなど、別荘地として有名な行き先へのフライトが増えているという。

「昨年は、目的地のほとんどがイタリアやフランス南部だった。しかし今は違う」とギットマンは言う。「多くの人が別荘に向かっている。そうした人たちはこれまでだったら、民間航空会社を利用している人たちだ。現在フライトが存在しないか、リスクが高いと見られているかのどちらかだろう」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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