ライフスタイル

2020.07.26 12:00

ドイツからやってきたポップなクロスオーバー、T-ROCの正体は?


8インチの最新のタッチスクリーンはついているけど、インテリアで使用されている素材はゴルフより多少劣るような気がする。でも、ドライバーの目の前にある液晶スクリーンは見やすく、GPSナビや運転情報、それに速度メーターとタコメーターを簡単に切り替えることができる。

T-ROCの液晶メーター

T-ROCのリアの部分はスタイリング重視で、リアウィンドウをかなり寝かしているので、ラゲージの容量は一見限られているように見えるけど、意外と広い。大きなリップ(リアバンパーの上の部分)がないため、荷物を入れるのも楽勝。後部席の真ん中の肘掛を下ろして、ラゲージスペースとのスルーができるので、スノーボードなどが積める。

また、テールゲートが開いた状態では、ラゲージの横のスイッチを引くと、後部席の背の部分が簡単に倒せて、ほぼフルフラットのスペースが作れる。

ところで、走りは優秀だ。パワートレインは、VW、アウディの各モデルに搭載される2リッター直4ディーゼル・ターボエンジンと7速デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせになっている。最高出力150psと最大トルク340Nm。当然、爆発的な加速はないし、1500~2000回転域ではパンチ力が今ひとつというところ。でも、2000回転以上だと、気楽に走行できるし、回転が上がるに連れてジワジワとパワーが出る。

また、低速ではきこえるディーゼル音は、走りだすと消える。ドライビングプロファイルを「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「カスタム」の4種類から選ぶことができるので、もう少し速い加速に振りたい場合、スポーツモードにすれば良い。ステアリングも正確で重さがちょうど良いし、乗り心地もゴルフとほとんど変わらないので、クラストップと言える。

サイドから見たT-ROC

全車速追従機能付きACCは通常モードでワイパーを動かす程度の雨量でも安心して走行することができた。歩行者検知機能付きの衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープアシスト、ブラインドスポットディテクション、リアトラフィックアラートなど、ひと通りの先進安全装備が標準装着されている。またVWが低価格帯のモデルにまでいち早く持ち込んだ、さまざまな表示方法が可能なフルデジタルのメーターも備わっている。

確かに、ポップなT-ROCのデザインや作りはドイツらしいクロスオーバーだし、価格が419万円と聞くと、試したくなる気持ちはわかる。

文=ピーター・ライオン

ForbesBrandVoice

人気記事