「#推ししか勝たん」で経済が動く! オタク女子の消費行動から見えてきたもの

Photo by Dmytro Buianskyi / Shutterstock.com


「少しでも推しの力になりたい」──経済をも動かす推しへの愛の力


推しのための消費を厭わないオタク女子たち。いったい何が原動力になっているのでしょうか? 推しに大金を使う気持ちを探るため、「推しに使うお金が月に5000円以上」と答えた方にその理由を聞いてみると、次のような声が。
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・「推しの方に直接お会いして話すことが難しいから、グッズの購入やライブに行くことで感謝を伝えています♥」(大学生)
・「雑誌などの売り上げが良いと次のお仕事につながる可能性もあるので貢献するため」(会社員)
・「推しに美味しいご飯を食べて欲しいから」(会社員)
・「自分のお金で推しの生活が豊かになると思っているから」(専門学生)
・「コロナ禍でライブが軒並み中止になり、少しでも多く推しに貢ぎたいと感じているため」(大学生)

オタク女子たちにとってお金を使うことは、推しに自分の気持ちを伝える手段であるばかりか、推しの生活や今後の活動を支えるための行為とまで考えているようです。つまり、オタク女子にとっては、“浪費”ではなく、純粋な“愛”ということができるでしょう。

以上の通り、たとえばアイドルがライブを開催すれば、チケット代はもちろん、グッズが爆売れし、遠征する人もいる。その行動が、アイドル自身はおろか、レコード会社、コンサート運営会社、グッズ制作会社、さらには鉄道会社や航空会社やホテルの売上となり、結果として2000億円以上(2018年、矢野経済研究所調べ)というものすごい規模の経済効果が生まれています。これを支えている大きな力は彼女たちの“愛”。逆に、愛がなければ何も動かない。こうしたことから、推しへの愛は、日本の経済を回しているといっても過言ではありません。
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そんなオタクの愛を理解し、事業に生かしたMERYの例を紹介します。

オタクの気持ちを理解し顧客へのアプローチを行ったMERY shopの事例


アイドルオタクで、気持ちは誰にも負けていないと自負していても、コンサートに参戦する際、服装などでオタク感を出すのは苦手という人も実は多く存在しています。そこで注目されているのが「ワンポイント推しカラーコーデ」。洋服の一部分を、応援しているグループなどの色にするというコーディネートのことです。

MERYでは、そうしたオタク行動から発想を得て、2019年秋に公式WEBショップ『MERY shop(メリーショップ)』にて、華やかなハンドメイドアクセサリーが人気の『Amelia.』とコラボレーションし、全7色展開のアクセサリーを発売。「好きなアイドルのメンバーカラーを身につけよう!」と、「推し活」向けアクセサリーとして紹介したところ、発売スタート後に即完売。在庫を急遽追加するほどの大反響に、製作サイドも驚愕したという事例がありました。

若者の購買意欲が低迷しているといわれている現代においても、愛してやまない推しのためなら、惜しみなくお金を使うオタク。彼女たちの浪費は、単純な“無駄遣い”とは違い、自分の愛を証明したい、自身が推すコンテンツや作品を“次”につなげたいという願いも込められています。そうしたオタクの心理を理解しておくことは、これからの企業の認知向上や利益拡大につながるのかもしれません。

文=MERY Lab

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