ベッド・バス・アンド・ビヨンドとウォルマート
私はそれから、モール外にある家庭用品販売店のベッド・バス・アンド・ビヨンドに車で向かった。すると、こちらの店舗は毎日午前10時から午後7時まで営業していることに気づいた。同社が標的とする消費者の多くは平日、営業時間と重複する時間帯で働いているため、店内で買い物ができる人の数は限られてしまう。
コミュニティーに奉仕するのであれば、仕事があるため遅い時間帯に物事を済ませる必要がある人たちに合わせる必要があるのではないか? なぜこの店舗は、営業時間を正午から午後8時までにしないのだろう?
ベッド・バス・アンド・ビヨンドは、買い物客が空いている時間に営業時間を合わせないことで、消費者に利便性を提供することができず、遅くまで開いている店に顧客を引き渡している。これは、会社と消費者の明らかな分断を示している。
それとは対照的にウォルマートは常に開いていて、ブランドや製品の取り扱いを顧客層に合わせて拡大するなど適切な戦略を採用している。同社は、現在の環境で小売企業がどのようにビジネスを行うべきかを示す典型例だ。
一部の店舗は閉店を続けるべき
それから、大型百貨店チェーンのノードストロームだ。同社の店舗に足を踏み入れると、骸骨の中を歩いているように感じられた。親しみやすい店舗スタッフが商品を探す手伝いをしようとスタンバイしていたものの、商品はほとんどなかった。ネットでの注文に対する出荷が同店舗から数週間行われたため、在庫が完全になくなってしまったとのことだった。
そのような状態でなぜ開店するのだろう? この状態では、何も売るものを持たない店舗スタッフに金を費やしているだけだ。さらには、客に期待外れでいらいらする買い物体験をさせることで、ブランドのイメージを損なっている。
モールに行ったことで確かに分かったことは、消費者には再び金を使う準備ができていて、消費ができなかったパンデミック(世界的大流行)中の初期の恐怖心や不安を克服していることだ。誰しもマスクを付け、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を最大限保ち買い物に出ている。
とはいえ、ピッツバーグで起きていることが、新型コロナウイルスの感染者数が増加しているマイアミや米国の他州と同じではないだろうということを指摘しておきたい。どの日でも、米国のどの地域にいるかによって消費者心理は大きく異なる可能性がある。
小売業者は今こそ、データを活用してローカルレベルで顧客の声を聞き、こうした情報を使って売り上げを最大化できるような重要な店舗再開戦略を立てるべきだ。