合言葉は「Hack The World」みんなで世界を能動的に書き換えよう

左から、Hack the Worldを主催するNPO法人ETIC.チームの小国士朗、山崎光彦、太田旭、同代表理事の宮城治男、赤尾紀明、森本絵美、米慈善団体のビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団日本駐在代表の柏倉美保子、同日本代表補佐の平井光城ら、多様なメンバーが集う

ウィズコロナ、アフターコロナ時代の「これからの理想」をみんなで話そう。そして、ビジョンを再定義しよう。

7月22日発売のフォーブス ジャパン8・9月号では「新しいビジョン」入門特集を掲載。これからの時代の「ビジョン」を考えるガイドブックを目指し、台湾のデジタル担当政務委員オードリー・タンをはじめ、世界および日本の起業家、経営者、Z世代の「これからの理想」を紹介している。


「一人の強烈なリーダーが自分のビジョンを語るだけでは社会は変わらない。『Hack The World(自分のビジョンで世界を書き換える)』プログラムが広がって、みんなで変えていく。僕が参加した理由は、みんなでやるからこそ世界や社会を書き換えられると思っているプロジェクトだから」

医療者・企業・行政・市民・患者などみんなで命の大切さと未来について、行動するプロジェクト「inochi未来プロジェクト」理事の寺本将行は話す。寺本が口にする「Hack The World」とは―。

同プログラムは、「パラダイムシフトの起点であり、答えのない世界に踏み出している感じがする」(ETIC代表・宮城治男)というウィズコロナ・アフターコロナ時代に、若い世代に向けて「自分たちが世界のありかたを次々に『HACK=書き換えてみよう』という思考実験」を行う取り組みだ。Z世代を中心とした若者たちとNPO法人ETIC、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、NHKエンタープライズ、Forbes JAPANが協働して進めている。宣言文は次の言葉からはじまる。

「2020年って、明るい未来がはじまるはずじゃなかったっけ。ひとつのウイルスによって、世界の風景が次々と書き換えられている。でも、それでいいのか。そうじゃない。私たちが書き換えるのだ」

注文をとるスタッフ全員が認知症の人たちという「注文をまちがえる料理店」、みんなの力でがんを治せる病気にするプロジェクト「deleteC」などを主導し、今回のプログラムにも携わる小国士朗は話す。

「先がわからない時代は、長い時間をかけてソリューションを準備しても変化のスピードに追いつけない。だから、これからは解決策よりも、いかに『いい問い』を投げられるか、『みんなが解きたいと思う問い』を立てられるか、が重要になる。『Hack the World』は、非常にシンプルな問い。一人ひとりにそれぞれの答えがある。解決策を提示していないが、それでもいいと思って宣言を書いた」


左から、「生きるための交換日記」プロジェクトを行う、「inochi未来プロジェクト」理事の寺本将行、開会式でトークセッションを行うLIAISON共同設立者の石井佑充、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の清野紫苑、「オンライン修学旅行」プロジェクトのウィルドア共同理事・竹田和広、キュリー代表取締役社長・王昌宇
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文=フォーブス ジャパン編集部 写真=ヤン・ブース

この記事は 「Forbes JAPAN Forbes JAPAN 8月・9月合併号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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