ビジネス

2020.07.22

米スマホ販売数、アップルは前年比23%減、サムスンは10%減に

Samsung Galaxy S20 UltraとApple iPhone 11 Pro(Mr.Mikla / shutterstock.com)

調査会社カウンターポイント・リサーチが2020年第2四半期(4月〜6月)の米国のスマホ販売台数に関するレポートを発表した。それによると、第2四半期のスマホの販売数は前年同期比で25%のマイナスとなり、特にモトローラとZTEの2社が60%以上のマイナスという深刻なダメージを受けていた。

一方で、アップルは23%減という他メーカーよりも軽微なダメージで済んだものの、サムスンはわずか10%減で、アップルを上回る成績だった。

今年4月の米国のスマホ販売数は前年同期比50%マイナスという大幅な落ち込みとなったが、5月以降は急激に回復した。カウンターポイントはその理由を、連邦政府による現金給付だとしている。

「米国のスマホの販売数は、第1弾の給付金を人々が受け取った4月後半から上昇した」と、カウンターポイントのJeff Fieldhackは声明で述べた。「その後間もなく、通信キャリアの店舗や大手小売チェーンが営業を再開したことで売上回復につながった」

その結果、今年6月の販売数は前年の同じ月を上回り、米国のスマホ市場の回復力が示されたとカウンターポイントは分析した。

一方で、第2四半期には全てのスマホメーカーが販売数を落とす中で、オンラインの販売数は2倍になった。新型コロナウイルスのパンデミックにより、第2四半期のスマホ販売数に占めるEコマース経由のボリュームは、昨年の14%から今年は31%に伸びていた。

このトレンドは、特にアップルとサムスンに追い風を与えた模様だ。「サムスンとアップルは以前からオンラインでの存在感が高く、他のメーカーを凌ぐ勢いで販売を伸ばした」と、カウンターポイントのアナリストのHanish Bhatiaは述べた。

「アルカテル(Alcatel)もまた、市場全体が落ち込む中で好調なパフォーマンスを示した。アルカテルは政府の補助金プログラムによって、プリペイドカテゴリで堅調な売上を維持した」という。アルカテルはノキア傘下のブランドで、中国の家電メーカーTCLがライセンス販売を行っている。

サムスンは他メーカーを上回るパフォーマンスを示したが、パンデミックによって最新端末のGalaxy S20の立ち上げは大きなダメージを受けた。S20の発売は、パンデミックにより店舗の閉鎖が実施されたタイミングと重なったため、昨年のS10よりも40%少ないアクティベーションに終わったとカウンターポイントは述べている。

iPhone SEは好調


アップルも第2四半期に前年比23%減という成績だった。しかし、求めやすい価格のiPhone SEの売れ行きは好調だという。

「iPhone SEの立ち上げにあたっては、例年のような発表イベントが無かった。しかし、SEは予想を上回る販売数を達成している」と、カウンターポイントは述べた。SEの購入者の多くはアンドロイド端末の保有者、もしくはiPhoneの旧型機種の保有者だったという。

編集=上田裕資

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