ビジネス

2020.07.22

元メルカリの2人が「グロース」領域のアップデートに取り組むワケ

Growth Campの樫田光(左)と山代真啓(右)


4つのファクターを提供し、意思決定のROIを高める


また、規模が小さく、リソースに乏しいスタートアップが急成長を遂げるためには、“良い意思決定”を繰り返していくしかない。Growth Campは“良い意思決定”には、「正しさ」「はやさ」「納得感」という3つの条件が必要とし、グロースの支援を通じて「意思決定のROI(投資対効果)」を高めるサポートも行っていくという。


良い意思決定の構造 ※Growth Camp社提唱

「グロースにまつわる多くの意思決定は、外部のエキスパート人材を社内の意思決定のプロセスに並走させることで、飛躍的に良化できる可能性が高いと思っています」(樫田)

山代はP&Gやメルカリでマーケティング・グロースの責任者としてグロースの施策や予算に対して意思決定し、樫田はデータ分析を中心とした事業上のより良い意思決定をサポートすることに事業の現場でコミットしてきた経験を持つ。

その経験をもとに、多くのスタートアップが「重要だと気づいているが、手に入れられていないもの」である「知識と権威」「分析」「情報の統合」「プロセス」という4つのファクターをクライアント企業に対して適切に提供することで、意思決定のROIを高める。

企業にグロース責任者が当たり前にいる時代に


事業領域も様々で、事業のフェーズや組織のサイズもバラバラだというが、すでに8社の支援を手がけているGrowth Camp。樫田によれば「共通しているのは、どの企業においてもグロースに関わる領域で、意思決定から実行まで横断的に支援している点」にある。

「社外からスタートアップを支援する形式としてギルド型も最近はあり、エンジニアやデザイナーといった単一職種のみの集団がほとんどであるようなイメージがあって。そういったプロ集団も価値は高いと思いますが、一方で今の時代は専門性の間での越境が大事になってきている。プロダクトとマーケティングの境目も曖昧ですし、プロダクトマーケティングマネージャーという職種もあるので、僕たちのような専門性が異なる二人がコンビネーションを組んで、その領域を越境することで案件の幅も価値も広がると思っています。できることの切り口が多いので、色んなフェーズの企業と仕事ができるんです」(樫田)
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文=新國翔大 写真=小田駿一

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