パンデミックで、サブスクリプション型のネット販売が好調

shutterstock.com


バークボックスも、新型コロナウイルスのパンデミックに伴ってサブスクリプションベースのサービスが繁盛している小売事業者のひとつだ。同社のケースでは、ソーシャルメディア上での、ポップカルチャーに言及する口コミ的要素を活かしたオーガニック投稿を利用してエンゲージメントを増やしたところ、そうしたコンテンツによって有料コンテンツと同じくらいの効果が出た(そして、特定の製品が売り切れるほど売上を促進した)という。

その一例を紹介しよう。バークボックスのソーシャルメディア・チームは、在庫が余っていたネコのぬいぐるみのデザインが、ネットフリックスの人気番組『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』に登場するキャロル・バスキンに似ていることに気づいた。そこで、ソーシャルメディアのオーガニック投稿で、「クール・キャット・キャロル(Cool Cat Carole)」を紹介した。この投稿は、複数のソーシャルチャネルで23万8000超のインプレッションを集め、新たなサブスクリプション契約者を引き寄せ、最終的にそのぬいぐるみは完売した。

さらに別のケースとしては、これまでサブスクリプションサービスを提供したことのなかったブランドが、現状では不可能になった対面販売などのビジネスモデルの次善策として、初めてサブスクリプションボックスを活用した例もある。

このケースに該当するのが、「バイド・マーケット(Bide Market)」だ。同社は、イベント中心の販売モデルから方針を転換し、季節ごとのオンライン・サブスクリプションサービス「バイド・ボックス(Bide Box)」を立ち上げた。このサブスクリプションでは、本来ならイベントに出店していたはずの販売者が提供する、環境にやさしいフェアトレード製品のコレクションを扱い、商品は購入者の自宅に直接届けられる。

バイド創業者のパリサ・モリス(Parisa Morris)は、「パンデミックは、当社のビジネスモデルに大きな影響を与えた。すばらしいブランドパートナーを支えるという当社のミッションをどうすれば継続できるのか、早急に考える必要があった」と語る。「これまでのところ、新しいサブスクリプションサービスに対する反応は上々だ」

では、このサブスクリプション界の成長傾向は、今後数カ月にわたって続くのだろうか? 「ズオラ(Zuora)」の共同創業者でCEOのティエン・ツォ(Tien Tzuo)は、続くと確信している。

「サブスクリプションは今後も成長を続けるだろう」とツォは述べる。「現在の状況が、潜在的なトレンドを加速させる傾向があるとすれば、現在の危機は、デジタルサービスとサブスクリプションモデルに向かう現代のグローバル経済のシフトを加速させるだろうとわれわれは考えている」

翻訳=梅田智世/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事