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コロナ禍で高まる「非対面販売」のニーズ 


新型コロナウイルス感染症の影響もあり、直近では人を介さずにサービスを提供できる非対面販売ソリューションとしてのニーズも高まってきている、という。例えば、デベロッパーが入居する企業向けへの福利厚生として、またはエントランスエリアのリニューアルの一環としても「root C」が検討されるようになっている。

そのほか、公共交通やショッピングモールなど、不特定多数の人で混みあう場所に需要がある。そのため国内の主要都市に設置した後には地方へ広げていくのではなく、グローバルニーズに応えていくことを明確な事業プランとして計画しているとのこと。

「今の飲食店は属人化していて、行動データも取れていない。いつお客さんが来るか分からないので、来たら作りますという形。体験はスマホアプリ内に納め、最後の受け取りをリアルにするメカニズムをシームレスに繋ぐことが出来るのではないかと思いました。」

有人の飲食店での活用も検討したが、店舗運用を効率化することは結局従業員の負担へと繋がる。儲かれば儲かるほど従業員が疲弊するというアンバランスなビジネスではなく、ロボティクスという強みを活かしてハードウェアを完成させた。

New Innovationsは、より付加価値を生むためのデータ設計と当該データを取得するためのハードウェアの開発、さらにその取得したデータを処理・フィードバックするクラウドを提供する。本質的な価値はソフトウェア側にあり、オフィスビル内でコーヒー需要との相関関係がある他の小売りの需要を測るなどマーケティング要素でも活用していける。

モバイルオーダーをして、わざわざ店舗に商品を受け取りに行く仕組みではなく、いつも通る道や通うビル内にあることで習慣化させる。SaaSやソフトウェア系の習慣ビジネスはオンラインで済むものが多かったが、それをオフライン側で挑戦する形となる。

注文から受け取りまでのスマートな体験を目指す


過去2回の実証実験で、オフィスビルにおけるオフィスワーカーを中心とした消費行動のデータ取得やユーザー体験の検証等を実施し、蓄積したユーザーデータを元に提供するコーヒーも改良。現在ではアプリによる購入も可能となっている。

またユーザーからのフィードバックを受け、スマートフォンアプリのUI/UXの一新や、よりユーザーにあったコーヒーを提供するためのレコメンデーションエンジンの強化、サブスクリプションモデルの実装を含め、注文からコーヒーの受け取りまでのスマートな体験を目指している、と中尾は語る。



「100年後、200年後に役立つかもしれない研究より、明確にいま課題があって短期間で解消できるような社会課題を意識しています。実利的なところで社会からフィードバックを得ながらテクノロジーやビジネスのフィードバックをする。明確に困っている人の一助になれればという思いで取り組んでいます」

目の前に現れた課題が、人々のコーヒーに対する要求に生じる非効率さ。実証実験を経て、新たな資金調達も得たことで、これから本格稼働に向けて歩みを進めていく。

文=新川諒 人物写真=小田駿一

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