雇われて終わる? スキルを手に『その先』へ跳ぶ?

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7. 書き始めて、書き続ける


いずれは独立し、自分の名前で仕事をしたいと考えている場合、まずは会社員として働きながら、副業として始めるのは一つの手です。ライターの中にも異業種の本業を持ちながら仕事をしている人がいます。ある特定の業界の知識や人脈、その業界のことを話せる「言語」を持っていることは他と差別化できる強みになります。そういった、自分の「持ち物」を一度整理して、わかりやすく示しておくことも、フリーランスには必要なことです。

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私はライター志望の人には、とにかくまず、書いてみることをお勧めしています。そして書くことを習慣化し、蓄積していく。蓄積されたものには、説得力が生まれます。執筆力は筋肉と一緒で、毎日動かさないと、すぐになまってしまう。ちょっとでもいいから、一定のリズムで書くことを目指しましょう。noteなどのアカウントをつくって、不完全でも、後から手直しすればいいやくらいの気持ちで、まず動き出すことです。

ライターでなくとも独立を目指すならば、とにかく行動し始めたらいいと思います。クラウドソーシングで仕事を請け負う、副業エージェントに登録してみる、自分のWebサイトを立ち上げてみる......以前ならハードルが高かったことも、今なら簡単にできます。小さくとも動き出してみると、自分の市場価値や強み、不足しているものなどが具体的に分かってきます。例え上手く行かなかったとしても、実際に行動して得た経験知は自分だけの大きな学びとなります。

8. ポートフォリオが肝心。足場は「分散」する


独立後に長く安定的に働くためには、色々な場所に足場をつくっていくことを目指しましょう。独立して間もない頃は、前職の会社の仕事を業務委託で請け負うこともあるかと思います。相手も自分も慣れており、仕事も進めやすいのですが、そのまま一カ所だけとベッタリ関係性を築くのは危険です。実績が出来たら、早めに新規開拓にチャレンジして、取引先を広げていきましょう。複数から仕事を発注される、バランスの取れたポートフォリオを組むことが、収入の安定にもつながるからです。

そのためにも、仕事仲間と良好な関係を維持するのはとっても大事です。もし意見が分かれるなど揉めてしまった際、私はなるべく中立の立場を貫くことを意識しています。

ライターにありがちなのが、メディアとインタビュー相手の板挟みになってしまうこと。インタビュー相手に伝えたい思いや主張がある一方で、メディア側にも「読者に訴求するために、こう打ち出したい!」という考えがあり、両者の正義がぶつかってしまうのです。そんな時、もし意見を求められたら「読者にとって何が有益か?」という視点で伝えるようにしています。どちらかに肩入れしないようにすることが、良好な関係でいられると思っています。
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文=豊田里美

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