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また、残念ながら「話がコロコロ変わる」「報酬の未払い」「約束以上の業務を要求する」などのクライアントとのトラブルに遭遇することもあります。経験を積むと、こうしたクライアントや地雷案件は直感で分かってくるのですが、独立間もない頃はうっかり出会ってしまうこともあるでしょう。いざというときに泣き寝入りすることがないよう、契約書を交わすなど法的な手続きを踏んでおきましょう。税制・法務面の最低限の知識を持つことは、交渉にも役立ちます。

私は同業者のネットワークをつくって情報交換したり、勉強会や講座を主宰して自ら発信したりすることで、「こんな時はどうしたらいい?」という知見を共有する機会をつくるようにしています。同業者との横のつながりは、仲間がいることの安心感に加え、トラブルを未然に防げる情報を得ることもできます。

4. 企画提案では「すぐに実現可能」をアピール


新人のライターさんによく相談されるのが、「メディアへの企画提案をしたいが、どうすればよいのか」ということです。企画提案ができるようになれば、したい仕事を自分でつくることができるし、メディア側からも一目置かれるようになります。

そのためにまずは、メディアが「これはやらざるを得ない!」と思う企画をつくること。企画というと、何か斬新なアイデアを出さなくては、と思いがちですが、そうではありません。まず大事なのは自分の思い。問題意識や、どうしても皆に広めたいことですね。更に、なぜ今そのテーマをやるべきなのか、なぜそのメディアでやるべきなのか、ということを明確にすることが大事です。ここがしっかりできていれば、逆にメディア側にも断る理由がないはず。

私の例でいくと、「男性経営者の子育て」というテーマの連載を、自分で提案して始めました。元々、子育て関連の記事が母親だけを前提としていることに違和感を持っており、もっと「『子育て』の主語を広げたい」という思いがありました。そのために、今まであまり子育てについて語ってこなかった男性、それも「スタートアップの経営者」にスポットをあてました。この層はとても自然に子育てしているイメージがあり、面白い記事になるはずだと。更に、その記事を、従来の子育てメディアではなく、男性ターゲットの雑誌でやることに意義があると考え、ビジネス誌で企画提案しました。

どの業種であっても、自分の思いや世に送り出す意義を、どれだけ言語化できるかが、企画実現を左右します。

また、「自走できること」をアピールして提案先の心理的ハードルを下げられるかも大事。面白そうな企画でも、手間がかかりそうだと思われたら寝かせられてしまいます。私の場合は、企画テーマの提案と同時に依頼可能な取材対象者リストを企画書に添付し、GOサインさえもらえれば今すぐ動き出せる状態にしておきます。メディアの仕事以外でも、関連する外部パートナーをリストアップする、期間や予算などをできるだけ具体的な数字で示すなど、独立して仕事をしている人間ならではの人脈や経験を活かして、「任せて大丈夫だな」と思わせたらこっちのもの。

企画提案は、「忙しい相手にとって、迷惑かな」と考えてしまいがちですが、実は歓迎されることが多いです。もし断られても誰にも迷惑はかからないので、臆せずチャレンジしてみるといいと思います。

文=豊田里美

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