生産性を向上させる「仮想コワーキング」とは

Alistair Berg / Getty Images

ひとつのオフィス内で働いている時は、従業員は互いの働きぶりを見ながら仕事をしており、それにより無意識的に生産性と責任感が向上する。上司や同僚が通りかかることで、自分が仕事をさぼっていることがばれるかもしれない状況では、携帯電話をいじったりオンラインショッピングをしたりすることは難しい。

ところが現在は、多くの従業員がテレワークを行い、そうした責任感や職場での仲間意識が薄れてしまっている。従業員は互いとつながることなく、ただひとりパソコンの画面に向かっている。同僚と机を並べて働くことによる刺激はなくなってしまった。テレワークの長期化が見込まれる今、オフィスでの働き方をどのように再現したらよいだろうか?

そこで登場するのが、従業員がデジタル上で一緒に働く「バーチャル(仮想)コワーキング」だ。これは仕事をはかどらせることを目的としたビデオ通話であり、打ち合わせや報告のためのビデオ通話ではない。ビデオ通話を通じて話すのではく、ビデオ通話で繋がりつつも、全員がそれぞれの仕事に集中する。

バーチャルコワーキングを成功させるためのルールがいくつかある。第一に、参加者は全員がビデオをオンにしたままにし、ビデオ通話中に達成する目標を共有すること。

第二に、マイクは誰もミュートにしない。カフェでの雑音が生産性を高めるのと同じように、同僚がキーボードを打つ音もまたモチベーションを高め、生産性を高める効果がある。音が邪魔だと思う人は、自分のスピーカーをオフにすればよい。

第三に、今はネットサーフィンの時間ではなく働く時間だと明示すること。それぞれが実際に何をしているかはチェックできないが、今は仕事の時間であることをやんわりとリマインドすると大きな効果がある。

ビデオ通話の初めに、各自が今取り組んでいる作業と通話中に達成したい目標を簡単に報告した上で、作業に入る。そして通話の最後には、簡単に結果報告をする。報告にとる時間は5分以内とし、実際の作業時間を削らないようにすること。参加者が多い場合、作業内容はチャットボックスで報告させ、最後に数分間だけ作業結果の報告時間を取るとよいだろう。

バーチャルコワーキングは、毎日でも毎週でも、あるいは曜日を決めて実施してもよい。通話時間も自分たちに最適な長さを試行錯誤して決めてよいが、通常は1〜2時間が効果的だ。終了後は参加者から、何がうまく行き、どういう点がよくなかったかについて聞き、必要に応じて調整しよう。

編集=遠藤宗生

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