「起床後メモ」を2週間。自分だけの最適睡眠時間を割り出せ

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フランスやアメリカと比較して、日本人の睡眠時間は短く、かつ睡眠時間も睡眠の質に対する満足度も低いという結果が出ています。また「日中に集中力、気力・充実感の低下や、眠気を感じる割合」も日本人が高いのです。

不眠者の割合は、日英仏ともに30〜59歳のほうが60歳以上よりも高く、男性より女性に高い傾向がみられました。不眠者の意識および行動をみると、米仏と比べ日本では不眠について誰かに相談すると回答した割合は低く出ており、ひとりで思い悩んでいる姿が浮き彫りになっています。

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どうやら日本人は睡眠の量も質も低めで、不眠に関して孤独に悩んでいる姿が浮かんできます。日本は「不眠大国」になりつつあるのかもしれません。

「8時間神話」「睡眠のゴールデンタイム説」に囚われるな


他の国々との比較、男女差の比較データを紹介しましたが、「何時間眠るべきか」という問いに対する結論は、やはり「人それぞれ」であるというのが、現在の多くの専門家の意見だと言えそうです。

つまり「睡眠は8時間以上必要」という説は、正しくありません。4時間半睡眠でスッキリの人もいれば、8時間で寝足りない人もいます。

また、健康管理上、「22〜2時は睡眠のゴールデンタイム」だと言われます。しかし、多忙なビジネスパーソンにとって、毎日22時にベッドに入るというのは、現実離れした話だと言わざるをえないでしょう。

つまり、睡眠には「絶対解」がないのです。だからこそ、一般論やメディアの情報に流されることなく、自分自身に最適な睡眠時間を把握して、「最適解」を得る必要があるのです。

「起床後10秒」で自分だけのベスト睡眠時間がわかる


自分に最適な睡眠時間を発見する第一歩は、無自覚な自分の睡眠を可視化すること。ビジネスにおける問題解決と同じように、自分の睡眠の問題点を「見える化」するのです。まずは2週間、「就寝時間」と「起床時間」の記録をつけてみてください。前出の「睡眠効率」はつけなくて構いません。

枕元にメモを置いて、寝入りそうな瞬間、起きた瞬間に、覚えている範囲でパパッとメモするだけでOKです。1日10秒、ベッドの中でできます。

次に出てくる表は、私の過去の睡眠記録です。上の表は土日を含めた2週間の記録、下の表は土日を除いた平日の記録です。

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平日の就寝時刻は21時30分〜23時30分、起床時刻は5〜7時。土日休日はやや早めに就寝。平日の平均就寝時刻は22時27分で、だいたい22時30分にはベッドに入っています。次の日の平均起床時刻は5時43分。朝6時前には目が覚めます。

睡眠時間の平均は7時間16分。この2週間はいつも通りのパフォーマンスで大きなミスもなかった期間です。体調も良く、日中の眠気もほとんどありませんでした。

つまり、翌日のパフォーマンスから考えた私のベストの睡眠時間は、約7時間ちょっとだと言えます。日本人全体の睡眠時間よりも、若干少ない程度です。
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文=裴英洙

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