1日4回の手術をこなす外科医発、「一流」の睡眠法とは

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「寝不足で疲れが取れず、朝から気だるい」「日中、眠気がつきまとって仕事に集中できない」「ベッドに入ってもしばらく眠れない」「多忙で睡眠を十分にとるのが難しい」

日本のビジネスパーソンの3人に1人が、このような睡眠に関する悩みを抱えていると言われている。

忙しい現代のビジネスパーソンにとって、睡眠時間は削る対象となりがちだ。しかし、誰にでも今日から実践できて、すぐに効果が現れ、最短で一流に近づくための最強のビジネススキルは何かと問われれば、間違いなく「睡眠」だといえる。

一流の睡眠』の著者、裴英洙氏は、医師であると同時に、MBA、コンサルタントという、「3足のわらじ」を履く異色の経歴を持つ。

同書では、医師とビジネスパーソン、両方の視点と経験を持つ著者により、32もの「睡眠メソッド」がわかりやすく解説されている。

多忙な毎日を送りながらも、効率的かつ効果的に睡眠をとって仕事のパフォーマンスを上げ、最速で「一流のビジネスパーソン」になるための睡眠メソッドを、同書の一部から抜粋して公開したい。


外科医は絶対に「失敗」できない


私はもともと、胸部外科という肺や心臓などの臓器を専門とした外科医で、これまで経験してきた手術回数は500回を超えています。

外科医は、1日の中で複数の手術を担当することが珍しくないハードワーカーです。私自身も、最大で1日に4件の手術を担当したことがありました。

手術室に運ばれてくる患者さんの病気や症状は、当然ながらすべて異なります。肺がん、縦隔腫瘍(胸の真ん中の臓器に出来る腫瘍)、気胸(肺に穴が空き、胸の中に空気が漏れる病気)、膿胸(胸の中に膿がたまる病気)など、さまざまです。


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病気に至った原因や背景も、まさに十人十色。ご高齢で手術に耐えられるかどうかギリギリの状態の方、過去に心筋梗塞の経験があって心臓が弱っている方、重度の喘息持ちで呼吸機能が悪い方、本当に多種多様です。

そして、手術に失敗は許されません。常にベストパフォーマンスを求められるプレッシャーと戦い続けなければなりません。
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文=裴英洙

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