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アップルは2019年11月、カリフォルニア州における住宅危機への対処を目的に、25億ドル(当時のレートで約2714億円)の基金を拠出する方針を示した。そして2020年7月13日、この基金からの第1弾となる4億ドルについて、拠出計画の詳細を明らかにした。

これによると4億ドルは、住宅ローンおよび頭金の支払い補助プログラム、土地の無償提供、ならびにカリフォルニア州全域に低価格住宅を建設するための資金提供に分割して充当されるという。

カリフォルニア大学バークレー校のターナー住宅改革センターが最近行なった調査によると、低価格住宅に対する既存の需要に応えるためには、カリフォルニア州では170万戸の住宅が必要になるという。また、同州内でもサンノゼ、さらにはシリコンバレーのあるサンフランシスコ周辺のベイエリアなどの都市圏は、米国内でも最も住宅価格が高い地域として知られる。サンノゼにある住宅の販売価格のメジアン(中央値)は92万5000ドル、サンフランシスコでは130万ドルにまで跳ね上がっている(不動産データベース企業 Zillow 調べ)。

アップルの基金によって新しく建てられる住宅には、シリコンバレー住宅供給基金(Housing Trust Silicon Valley)との共同事業により、ベイエリアの複数地域に建設される低価格住宅計250戸が含まれている。さらに、これとは別に、非営利団体「デスティネーション:ホーム(Destination: Home)」と共同で、1000戸の低価格住宅を開発する計画もある。こうした複数のプロジェクトには、特定の条件を満たす人向けの住戸が数多く設けられている。例えば、退役軍人、既に家を失っている人、家を失う恐れのある高齢者、発達障害がある人などが入居できる。

デスティネーション:ホームのジェニファー・ラビング(Jennifer Loving)CEOは、声明で以下のように述べている。「複数の新規住宅開発計画に、(アップルの)基金を即座に振り向けることができた。これらの計画は、この地域に住む、社会的に弱い立場にある人たちが永続的に暮らせる家を提供するとともに、我々が推進するホームレス化防止システムの強化につながる。しかも今はまさに、潜在的なリスクを抱え、援助を必要とする世帯がかつてなく増加しているタイミングだ」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて、アップルの基金は、デスティネーション:ホームが実施しているホームレス化防止システム経由で既に分配が始まっている。このプログラムは、住む家を失う危機に直面している人たちに対して、家賃や公共料金の支払い、保証金について一時的な金銭的支援を行うものだ。アップルのプレスリリースによると、今回の同社の基金拠出によって、前年比で67%増の1500世帯が、家を失う事態を避けられたという。

総額25億ドルのアップルの基金は、今後数年をかけて拠出される計画だ。その大半は、新たな住宅建設時の手付金のほか、住宅ローン、頭金、家賃といった住宅関連出費の支援に用いられる予定だ。このうち少なくとも10億ドルは、初めて家を買う人向けの住宅ローン支援基金に充当される。エッセンシャルワーカーや学校の職員、退役軍人については特別枠が設けられる。

加えて、3億ドル相当は現物給付の形をとる。アップルが既に所有している土地が寄付され、低価格住宅の建設地として使用される計画だ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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