コロナが突きつける、国と個人の「ビジョニング」とは

NEWPEACE代表の高木新平氏(左)とマザーハウス取締役副社長の山崎大祐氏(右)


山崎:まずニューノーマルという言葉がもつ万能感に気をつけなければいけないと思っています。ノーマルってみんなが同じようになるという感じがありますが、むしろ真逆で、ニューノーマルが突きつけるものは「多様化」だと思っています。

例えば今なんかはリスク回避のために外出自粛している人もいれば、居酒屋には結構人がいて、みんなとる行動や考え方が違うことがはっきりわかったと思うんです。こういうことから見ても、ニューノーマルの意味というのは、日本にあったマス幻想が壊れることなんじゃないかと。

経済的な視点で見ると、今後は7割経済になっていくと思う。キャパシティーが7割になっていく中で生き残るには、単価が1.5倍になっても認められる、オリジナリティがあるモノを出さなくてはならない。オリジナリティが目立ってくる社会を作っていく必要性を感じます。

個人に関しては、「こうあるべき」などのHOWにこだわるのでなく、WHYにこだわるべきです。WHYにこだわった上でフレキシビリティをもって課題に対応していける人がサバイブしていくのではと思います。

──これからの個人の生き方は?

山崎:1つ目、学び続けなくてはいけない時代では、フレキシビリティが求められるようになります。2つ目は、オリジナリティを見つめ直すことが大切です。なんの為に生きているのかのWHYがあればHOWはいかようにもなるから、自分とは何者かを見つめ直すこと。3つ目はネットワーク能力があり、他者と助け合って情報を掴める人がサバイブしていけるのだと思います。

高木:家族、仲間、地域のような、個人の時代と言われる中で、ないがしろにされていたものが改めて重要になってくると思います。危機があったときに、お互い無条件にギブしあえるような存在がすごくありがたいということが、改めて感じられるようになりました。個人でありながら、家族的なセーフティネットをもてるかのスキルが大事になっていくのではないかと思いますね。


高木新平◎NEWPEACE代表/Vision Architect。3.11を契機に博報堂から独立。シェアハウスを全国各地に立ち上げる。2015年「20世紀からの解放」を掲げ、Visioning Company NEWPEACEを創業。自動運転・シェアリングエコノミー・SDGsなどの社会浸透を仕掛ける。2017年よりサードコミュニティ事業を展開。

山崎大祐◎マザーハウス代表取締役副社長。大学卒業後、 ゴールドマン・サックス証券に入社。エコノミストとして、日本及びアジア経済の分析・調査・研究や各投資家への金融商品の提案を行う。2007年3月、同社を退社。株式会社マザーハウスの経営への参画を決意し、同年7月に副社長に就任。副社長として、マーケティング・生産の両サイドを管理。1年の半分は途上国を中心に海外を飛び回っている。

文=河村優 構成=谷本有香

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