先端テック企業に聞く2025年までに世界を変える17の方法|前編

ライブなどのイベントも現実とまったく同じ体験をデジタルで提供できるようになるかもしれない(Unsplash)


5Gの展開は、自動運転ロボットや「モビリティ・アズ・ア・サービス」の経済など私たちの想像に留まっていた市場、そして、その他想像もできないような市場も創出。次世代の人々が新たに隆盛する市場と明るい未来への種を生み出すことでしょう。

──マハ・アシュール氏、メタウエーブ創設者兼CEO

6. 癌管理のニューノーマル


テクノロジーはデータを動かし、データは知識の触媒となり、知識は力を生み出します。これからの世界では、癌は、他の慢性的な健康異常と同じように管理されることになるでしょう。今後起こることを正確に特定し、それを克服することができるようになります。

つまり、癌管理のニューノーマルです。ゲノム配列解析やリキッドバイオプシーなどの診断技術が発達し、検査をより簡単に、より高い精度で、そして、理想的にはより手頃なコストで実現。より早期に、予防的なスクリーニングが行えるようになるでしょう。多くの種類の癌の早期発見と介入は、命を救うだけではなく、発見の遅れによる経済的・心理的負担を軽減します。

さらに、テクノロジーは治療における革新も進めます。副作用が少ない遺伝子編集や免疫療法はさらに進歩するでしょう。早期スクリーニングと治療が共に進歩していけば、癌はもはや、人々に恐れられる呪われた病気ではなくなります。

──ワン・シージェン氏、ジェネトロン・ヘルスCEO

7. 小売におけるロボット応用


ロボット工学はこれまで多くの産業で活躍してきましたが、食料品販売などいくつかの分野はほとんど手付かずのままでした。「マイクロフルフィルメント」と呼ばれる新たなロボットの活用により、食料品小売分野はその姿をがらりと変えるでしょう。サプライチェーンの上流でロボットを使っていた従来の方式とは対照的に、「ハイパーローカル」レベルの下流でロボットを使うことで、この100年の歴史を持つ5兆ドル規模の産業は一変、あらゆるステークホルダーが大きな変化を経験することになります。小売業者が何倍もの生産性で事業を展開するようになることで、オンラインの食料品販売ビジネスにも今はない前向きで魅力的なリターンがもたらされます。

このテクノロジーはまた、食品へのアクセスの間口を広げ、スピード、在庫状況、そして価格と、消費者への提案を全体的に改良します。マイクロフルフィルメントセンターは既存の(典型的には生産性の低い)店舗レベルの場所にも置くことができ、実店舗に比べ運営費を5~10%節約できます。オンライン化の価値は、小売業者と消費者双方に等しくもたらされると私たちは予測しています。

──ホセ・アグエレベーレ氏、テイクオフ・テクノロジーズ共同創設者、会長兼CEO
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文=Saemoon Yoon Community Lead, Technology Pioneers, World Economic Forum Geneva

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