本書では、清水氏の著書『マナーを超えた「気くばり」』から、「超一流の自己管理術」について記載された箇所を、以下抜粋して紹介する。
そもそも、「一流」の定義とはなんでしょうか?
人を「一流」や「二流以下」に分類することにはあまり意味がありませんし、したくもないのですが、いわゆるトップリーダー、ビッグネーム、社会的に「意味のある功績」を残している人々、ある専門分野における経験・知識に全幅の信頼を寄せられている人々、あるいは社会の表舞台には立たなくとも、世界をポジティブな方向に動かすそういった人々を陰で支えている人たちが、実際に「一流」の雰囲気をまとっていることが多いのもまた事実と思います。
肩書きだけでなく、その振る舞いや気くばりなど人間的な部分で人を惹きつける魅力があるのも特徴です。
ファーストクラスにそのような人たちの割合が高いので、「ファーストクラスの乗客」と総称的な表現をすることも多いのですが、もちろんクラス関係なく「一流」の方は存在します。ここでは、私が機内でご一緒してきた中で、そのような「ハイクラスの品格」を身にまとった紳士、淑女のみなさんの例を引きながら、お話をしたいと思います。
自分流のこだわりは機内でも貫く
ファーストクラスのお客様の機内での過ごし方を見ていると、自己管理へのこだわりに感動することがあります。機内という限られたものしかない空間でも、自分がベストなコンディションを保つためにさまざまな工夫をされています。
野菜を一切食べないことで有名なあるスポーツ選手の方は、ハンバーガーも野菜抜きでとオーダーされ、パテに入っている小さな野菜も可能な限りでいいので取り除いてほしいというほど徹底されていたそう。担当したCAは、一切野菜を食べない徹底ぶりに驚いたと同時に、食べられなくて野菜を残すことがないように最初から細かくオーダーされたことに好感を抱いたといいます。
機内では食事量をセーブする
機内では運動量が少ないので、食べ過ぎると胃が重く感じられることもよくあります。そのため、普段の食事量よりも意識的に少なめに召し上がる方も多いようです。
チキンやサラダなどヘルシーなものを召し上がったり、日本時間の夜中には口にするのど飴の種類にまでこだわっている方もいます。満腹になることで仕事や睡眠の質が落ちてしまうことを気にされる方も多い印象です。お酒とも自制心を持って付き合われている方がとても多いです。
飲むとしたらポリフェノールが豊富な赤ワインを1杯だけと決めていらっしゃる方や、お酒は一切飲まないと徹底されている方も想像以上に多く驚きます。