ビジネス

2020.07.21

コロナ後のウィーワークの行方 コワーキング業界は競争激化へ

Photo by John Keeble/Getty Images


新型コロナウイルスのパンデミックにより、ウィーワークとその競合企業は非常に有利な立場に置かれている。健康面の安全が確保されるようになれば、多くの従業員が自宅ではなくオフィス環境での勤務を希望するはずだ。こうした人は、自宅近くのコワーキングスペースを使うチャンスを喜んで受け入れるかもしれない。

バスや地下鉄に乗って都心に通勤すると、車や自転車で自宅近くに通勤するよりも感染のリスクが高まる。多くの同僚が自宅や近所のコワーキングオフィスで遠隔勤務している場合、街中のオフィスに出勤することは会社にとってあまり意味がなくなる。

今後は、一つの会社の中でも、都心のオフィスで勤務する人がいれば、自宅近くのコワーキングオフィスに通勤する人や、ほとんどの日を在宅で勤務する人もいる状態になるだろう。

時には直接顔を合わせる必要も出てくるだろうが、毎日ではない。週に一度だけ集まって会議や共同作業をすることは筋が通っているだろう。週に一度のためだけに専用のスペースを設けることは金の無駄なので、コワーキングスペースの価値が高まるはずだ。

しかし、コワーキング業界は、長期的なリース契約を結べる人なら誰でも参入できる。机やテーブルも中古で安く手に入る。世界的なネットワーク構築には多額の資金がかかるが、小規模なコワーキング企業は柔軟なサービスを提供することで地元企業に訴求できる。

地方企業同士が提携ネットワークを構築すれば、全国あるいは国外からの顧客を獲得できるかもしれない。最初は小さな規模から始まり、各コワーキング企業が他都市の同業企業に顧客を紹介するような形となるだろう。こうした企業間で統合請求システムを導入することは簡単にできるはずだ。

ウィーワークは現在、コワーキング市場での競争で有利な立場にいるが、新型コロナウイルス流行下とその後の世界では競争の激化を覚悟しなければいけないだろう。

編集=遠藤宗生

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