自動運転TuSimpleが米商用車大手と提携、次世代トラック製造へ

(C) TuSimple


2024年に生産開始へ


TuSimpleは、カリフォルニア工科大学出身のコンピュータ・サイエンティストであるXiaodi Houによって設立された。Houは、現在同社のチーフ・テクノロジー・オフィサーとしてAIを搭載したソフトウェアの設計を行っている。

Houは、会社の設立当初から長距離貨物輸送の方が収益化が早いと考え、米国と中国で事業を展開してきた。(同社は今年、フォーブスがAI分野で優れた実績をあげた企業50社を選出する「AI 50」に選出されている。)

ナビスターは、「International」ブランドの大型トラックを米国とカナダで年間約3万5000台販売している。同社の「Advanced Driver Assistance System」部門でチーフ・エンジニアを務めるChris Gutierrezによると、同社はこれまで自動運転技術の自社開発を進めてきたが、今後はTuSimpleと協力して開発を行うという。

「自動運転トラックを開発する上では、ソフトウェアやハードウェアの開発以外にもやることが沢山ある。必要なときに停止したり曲がるだけでなく、車線変更の前にウィンカーを出し、ゆとりをもって車線を変えた後はウィンカーを消すといった運転マナーを学習させる必要がある」とGutierrezは話す。

Lisboaによると、今回のナビスターによるTuSimpleへのマイノリティ出資は、2段階プロセスの第1フェーズだという。Lisboaは、今年6月にナビスターのCEOに就任した。「顧客と共同で開発を行った後、フェーズ2に移行する。フェーズ2は、2024年の生産開始に向けた最終的な検証プロセスだ」とLisboaは言う。

一方のTuSimpleは2021年後半までに人間の補助を必要としない完全自動運転の実現を目指し、現在はソフトウェアの改良を行っている。同社は、アリゾナ州ツーソンにあるエンジニアリングデポを拠点に40台の自動運転トラックを運用しており、この2年間収益を上げている。

同社は今月、UPSやU.S. Xpress、Penske Truck Leasing、バークシャー・ハサウェイ傘下の食糧サービス企業「McLane」と共同で、自動運転トラックによる輸送ネットワークを稼働させると発表した。まずは、フェニックスとヒューストン間の1100マイル(約1770キロ)を走行するという。ニューヨーク証券取引所に上場するナビスターの株価は今回の発表を受けて7月15日、前日比3.1%高の29.99ドルをつけた。

編集=上田裕資

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