バーチャルタレントのプロデュースやコンテンツ開発を手がける「Activ8」による10億円の資金調達を皮切りに、VTuberグループ「にじさんじ」を運営するいちからが19億円の資金調達、そしてVTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバーが7億円の資金調達の発表を行っている。
そうした中、複数のVTuberチャンネルなどYouTube IP開発事業を展開するUnlimitedは先月、複数の投資家を引受先とした総額8億円の資金調達を実施。また調達を機に、社名をBrave groupへ変更したと共に、CI(コーポレートロゴやミッションなど)や役員体制も刷新したことを明かした。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、音楽ライブやフェスティバルの中止が相次いだこともあり、より注目されるようになった「バーチャル空間」の活用。今後、バーチャルタレントを活用したVRイベントは増えていくことが予想される。
果たして、Withコロナ時代におけるエンターテイメントの形はどうなっていくのか。今回Brave group代表取締役の野口圭登と、グループ会社のWright Flyer Live Entertainment(以下、WFLE)でスマートフォン向けバーチャルライブ配信アプリ「REALITY」を運営し、ライブエンターテインメント事業に注力しているグリー代表取締役会長兼社長の田中良和に話を聞いた。
リブランディングを実施した「2つの理由」
──まず初めに、どのような経緯でリブランディングすることになったのでしょうか?
野口 圭登(以下、野口):リブランディングした理由は大きく2つあります。1つ目には、ファンの方々に弊社がポジティブに変化していく姿を見せたかったことがあります。昨年4月にゲーム部プロジェクトの声優との間で問題が発生し、業務辞退の申し入れがあり、最終的には4人の声優陣が交代することになりました。この騒動のときにファンの方々を裏切ってしまった思いがあり、ここ1年ほどは、会社のガバナンスや制作体制の改善を重ねてきました。今回リスタートするに当たりファンの皆さんに、私たちは成長し、変化したというのをしっかり伝えたいと思い、リブランディングすることにしました。
もう1つの理由は社員のためです。良い作品を作り続けてくれているメンバーに、胸を張ってもらいたいし、一致団結してこれからもやっていこうと経営陣から伝えたい。このグループにいることをより、誇りに持って欲しいという思いもありました。