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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

Bauer-Griffin /Getty Images

リピーターの日本人旅行客なら、お土産調達に必ず立ち寄る人気店「トレジョ」こと、トレーダー・ジョーズ。全米で500店舗近いグロサリーストアを展開するチェーンだが、ネットで検索をかけると、トレジョで買って帰るべきお土産をリストアップした日本人旅行客のブログが溢れている。

特に数百円程度で買えるトレジョのエコバッグは、季節限定や州限定のものなどもあり、アメリカ土産の定番となっている。東京を歩いていても、トレジョのバッグを下げた若者やカップルを見かけたりする。

アメリカではスーパーマーケットの大規模化が進む一方で、トレジョはオーガニック商品や自然素材を生かすことを念頭に置いた自社ブランド商品をたくさん並べ、この店で買う食材なら合成保存料などの添加物がなくて安心という信頼感を顧客の間に浸透させている。

トレジョは、いわゆるスーパーよりは小さめの店なので、どこでも買えるようなコーラ類や缶ジュース、ペットボトルの水などは、むしろまったく置いていないことのほうが多い。

筆者も、実は豆腐はトレジョで買うし、調味料はさまざまなスパイスがミックスされているオリジナルのシーズニングをここで買う。シュウマイや水餃子なども、チャイナタウンで買うものより、トレジョのほうが日本人の口には合う。

アメリカに在住する日本人家庭の多くは、このトレジョとコストコで日用品の買い物をすべて済ませてしまおうとする人が多い。ここで手に入らないものだけを、従来型の大型スーパーで済ませるというパターンなのだ。

フレンドリーな接客で定評


創業者のジョー・コロンビーは、今年の2月に89歳で亡くなったが、カリフォルニア州のサンディエゴ生まれ。西海岸の名門スタンフォード大学でMBAを取得した俊才だった。

初め、全米で1万2000店舗を誇ったレクソールというドラッグストアチェーンに勤めた彼は、成績の悪い店舗の閉鎖をするという仕事を任されたときに、自らそれらの店舗を買収するところからスピンアウトし、それをトレーダー・ジョーズと名前を変えて、チェーン展開を始めた。

その後、1979年にドイツ人の投資家に所有権を売却したが、1988年までCEOとして留まり、トレジョの拡大に努めた。

それからもう30年以上も経っているが、コロンビーの掲げた「他で買えないものを、どこよりも親切に」という企業文化は、脈々として現在も受け継がれ、近年の調査でも、全米で働きたい会社ランキングでは常に上位入りを果たしている。

また、消費者情報には定評があるコンシューマー・レポート誌は、数回にわたり、トレジョをスーパーマーケットチェーンの全米ナンバーワンに評価している。

文=長野慶太

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