ビジネス

2020.07.20

受けた恩を起業家たちへ 現役の経営者たちがハンズオン支援する集団「HandsOn」

HandsOn代表取締役CEOを務める中野賀通(弟)


各領域のプロフェッショナルが全方位で支援


こうして集まったメンバーこそがHandsOn最大の資産だ。ハンズオンオーナーには上場やM&Aを経験したITスタートアップの経営陣やCxO経験者、バックオフィスのプロフェッショナルである弁護士や税理士など、それぞれの立場からスタートアップを知り尽くしたメンバーが集結している。

今も現役で活動している彼らの生の知見を惜しみなくスタートアップに提供できるのがHandsOnの特徴。事業開発やマーケティングなど「攻め」の部分だけでなく、知財回りから助成金まで「守り」の悩みも含めて全方位でカバーする。企業のステージもシードからエグジット後まで全てに対応する。

スタートアップの支援スタイルも独特だ。支援先は新規のハンズオンオーナーの就任時と同様にオーナーの間で内部投票を実施して決める。サポートは基本的に月額20万円からの定額料金制で、スタートアップ側が希望する場合には出資も検討するが、それはあくまでオプション(ハンズイン)。スタートアップスタジオの中にはVCのように投資をしてキャピタルゲインを得るモデルを採用しているプレイヤーもいるが、HandsOnはそうではない。



「事業家としてエグジットを経験したメンバーが、本物の経験を提供します。ハンズオーナーの質を担保するために投票制を採用しているし、これは支援先のスタートアップも同様。本物・本質・本気というフィルターで審査して、メンバーが本気でバックアップしたいと思ったスタートアップだけをとことん支えるスタイルです。僕らも上の世代の人たちから恩を頂いて今の生活を享受できているので、今度は自分たちが恩を送る番。ハンズオンという会社を軸にいろいろな人の思いを集めて、それが支援の輪としてどんどん広がっていけば良いなと思っています」(賀通)

自分たちがもらってきた恩を送り、次世代に繋げていく。そして不安よりも楽しみでしょうがないという日本を取り戻すべく、世界をターゲットにチャレンジをするスタートアップを支援する──。ハンズオンの挑戦は始まったばかりだ。

文=大崎真澄 写真=小田駿一

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