ビジネス

2020.07.17

家ごはんの新たな選択肢 「出張料理」が食の悩みを解決する


サブスクリプション(定期)サービスも導入 ユーザによって違う活用法


2019年4月からはサブスクリプションサービスも導入。利用者のニーズも違い、同じユーザでも違った使い方をするケースも増えていた。

1回目は赤ちゃんのための離乳食を依頼するが、2回目は親御さんが自分達用に頼む。ユーザは平均的に月2回の利用が主だが、違う専門家の料理を楽しむ使い方もある。

そんなニーズを知り、「シェアダイン」は月に2回、3回、4回のコースも生み出し、ユーザが定期的に利用できる仕組み作りも行った。特に在宅勤務が定着していく可能性もあり、仕事をしながらお昼の調理が出来ない人達もサポートする。その時の体調に合ったもの、またはコロナ太りしてしまいダイエットメニューにするなど様々な形でパーソナライズをしていく。

それでもまだ出張料理は特別感があるが、サブスクリプションにすることで日常感を提供する。


シェアダイン共同代表の井出有希

「私たちのサービスはまさに日常で使えるものを考えています。パーティープランもありますが、どちらかというと日々のお食事を専門家が伴走して作っていきます。あとは自分では思いつかないメニューだったり、素材の組み合わせだったり、自分で作るのと同じものでも同じ調味料を使っているとは思えないという料理が出来るという話を聞くこともあります」

これまで料理を作ってこなかった人でも、シェアダインを頼んで一緒に作れるようになる。パートナーや家族に合った料理を作るための相談役を担う存在でもある。場合によってはシェフがレシピまで教えてくれることもあるという。新しいものが食卓に並ぶという経験を提供し、食の楽しみ方を伝えるのもサービスの魅力の1つだ。

「出張料理といえばシェアダイン」を確立するための資金調達、そして次なる道


サービスを確立させ、目指すのは「出張料理といえばシェアダイン」というポジション。

それだけではなく、文化創造的な側面もあると信じる出張料理サービスそのものも広め、妊活をしたい、糖尿病で悩んでいる、そんな人々の相談窓口になって専門家と共に力になっていきたいと井出氏はいう。

投資家からの支援を受け、高品質なオンライン直売所「食べチョク」ともコラボを行うなど、事業を拡大。食の課題だけでなく、社会課題をも解決するサービスを展開しているシェアダイン。

「作らない選択肢」が増えていく世の中で家庭料理を伝える新たな仕組み。困ったときはファストフードや出前を頼みがちである日常から脱却して、食に向き合いたい。そう思った時に食卓を彩る新たな選択肢として、生活に浸透してくるのではないだろうか。

文=新川諒 人物写真=小田駿一

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