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2020.08.05

コロナ禍の10代。スマホ世代の「らしさ」と、窮屈な日常

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2|属性別~スマートフォン保有率の高い大学生はネット動画やSNSの利用が増加


メディア視聴行動で増えたものについて、性別に見ても全体と順位は同様だが、女性では「SNSを見たり投稿する」(63.8%)や「動画配信サービスで映画やドラマを見る」(41.0%)が全体を上回る(図表3)。なお、女性では「新聞を読む(電子書籍除く)」や「ラジオを聴く」を除けば、いずれも男性よりも選択割合が高い。

なお、総務省「2019 年通信利用動向調査」にて、過去1年間のインターネット利用目的のうち、「SNSの利用」を選択した割合を見ると、60歳代未満では、いずれも男性より女性の方が選択割合は高く、女性ではSNS利用意向が高い傾向がある(図表4)。また、15~19歳の女性では、20歳代男女や30歳代の女性に次いで高い。

 図表3 性別に見た15~19 歳のメディア視聴行動で増えたもの(複数選択)
性別別の若者のメディア視聴傾向
(注1) 順位は全体のもの(注2) 全体より±5%に色つけ

 図表4 過去1年間のインターネット利用目的のうち「SNS利用」を選択した割合(2019年)
ネット利用のうちSNSを目的とした割合
(資料)総務省「2019 年通信利用動向調査」より作成

 図表5 学生種別・家族との同居状態別に見た15~19歳のメディア視聴行動で増えたもの(複数選択)
家族同居でのメディア視聴傾向
(注1) 順位は全体のもの(注2) 斜体は参考値(注3) 全体より±5%に色つけ(参考値を除く)(注4) 学生種別で「その他」、家族との同居状態で「該当しない」を除いた結果

学生種別で見ても全体と順位は同様だが、専門学校・短大生では「テレビを見る」(60.0%)が、大学生では「Youtubeなどのネット動画を見る」(80.6%)や「動画配信サービスで映画やドラマを見る」(39.8%)で全体を上回る(図表5)。

なお、大学生では「本を読む(電子書籍含む)」や「新聞を読む(ネットやスマホ含む)」、「ラジオを聴く」を除けば、いずれも他の学生種別よりも選択割合が高く、ネット動画やSNS、動画配信サービスの利用といった、主にスマートフォンを介したメディア視聴の増加が目立つ。これは、大学生では比較的スマートフォン保有率が高いためだろう。

家族との同居状態別に見ても全体と順位は同様だが、別居では「Youtubeなどのネット動画を見る」(80.0%)で全体を上回る。なお、家族と別居のうち、52.5%が大学生である。
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文=久我尚子(ニッセイ基礎研究所 主任研究員)

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