ダークウェブはその匿名性から悪いイメージがつきまとう。使用自体は違法ではないが、ダークウェブ上で違法行為が行われているのは事実だ。
これはダークウェブの一面だが、別の面もある。それは、ブランドに関連するものだ。マーケターの大半はブランドの視点からダークウェブを考えることなど決してないが、ダークウェブ上ではビジネスチャンスとなるかもしれない会話や交流などの合法的な活動が起きている可能性もある。ダークウェブを監視し、利用できなければ、こうした機会は誰にも気づかれないままなくなってしまう。
例えば、あなたは「The Hidden Wiki」というサイトの存在を知っていただろうか? これは簡単に言えば、隠れサイト版ウィキペディアだ。
アクセスするには、実際のページURL(.onionが含まれることが多い)を知っていたり、サイトのディレクトリにアクセスできたりする必要がある。こうしたページは、内部告発や、一部の国では政府の検閲に引っかかる可能性がある意見など、通常のウェブでは安心して議論できない話題を議論する場所だ。
信じられないかもしれないが、こうした会話の中で自社のブランドが言及されることもあり得る。ただ、単にグーグル検索しただけではそれは分からないため、調査方法を知り、自社の事業に影響しかねないさまざまなダークウェブのハブについて時間をかけ調査することが重要だ。
それは実行が可能ではあるが、簡単ではない。ダークウェブを通じて何かを発見・マッピング・監視・検索するにはソーシャル・リンクス(Social Links)やトーボット(Torbot)などの専門ツールが必要になる。
しかし、適切なツールを手に入れるだけでは十分なダークウェブ対策はできない。ダークウェブ対策が自社のマーケティングの一部になったら、次に従業員やブランドを守る方法を理解しなければならない。