COVID-19で重症化するのは、主に高齢者ではなかったのだろうか? まったく気にしていないかのように、パーティーに参加していた若者たちにはどのくらいのリスクがあるのだろうか?
また、この研究結果を発表したカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者たちは、どうやってこの結論に達したのだろうか──? 疑問に思えることは、いくつもある。
「Journal of Adolescent Health」に先ごろ掲載された論文ではまず、米疾病対策センター(CDC)が公表しているCOVID-19のリスク要因のリストを「医学的リスク要因」として、それらに該当するかどうかでリスクが高い人を明らかにした。次の6つのうちいずれかの疾患がある人は、すでにハイリスクということになる。
心臓病(冠状動脈性心臓病、狭心症、心臓発作など)、糖尿病、ぜんそく、免疫関連疾患(関節リウマチ、痛風、ループス、線維筋痛症など)、肝疾患、肥満
そのほか研究チームは、「過去30日間にたばこ、または葉巻を吸った、電子たばこを使用した」ことも要因に加えた。CDCのリストには電子たばこは記載されていないが、著者らは「呼吸機能と免疫機能に悪影響を及ぼすもの」であるとしている。実際のところ、煙を吸い込むことは、肺を損傷するおそれのある呼吸器系ウイルスから私たちを守るための最善の方法ではない。
研究チームはこの指標を作成した後、「ハイリスク」グループに入る若年成人が米国にどれだけいるかを割り出すため、2016~18年に実施され、この年齢層の8405人が参加した「国民健康調査(National Health Interview Survey、NHIS)」の回答を精査した。
NHISは、結果に各人種の人口比率が反映されるように設計されている。回答者の49.6%は女性で、55.0%が白人、13.3%が黒人、22.1%がヒスパニック系、5.5%がアジア系、その他の人種が4.1%だ。
関連のある質問に対する回答を分析した結果、18〜25歳の成人の32%が、「ハイリスク」であると考えられることがわかった。男性の33%、女性の30%がハイリスクとなっている。
指標に含めたすべての項目のうち、最も該当する人が多かったのは、「過去30日間にたばこを吸った」(11%)。次いで、「ぜんそく」(9%)、「過去30日間に電子たばこを使用した」(7%)、「過去30日間に葉巻を吸った」(5%)の順となっている。
喫煙をまったくしないグループだけを見ると、ハイリスクと考えられる人は16%だった(非喫煙者でリスクが高いとみられる人は、女性の19%、男性の14%)。つまり、若年成人に占めるハイリスクの人の割合を押し上げているのは、主に喫煙だということになる。
これらの結果は、私たちに改めて注意を喚起するものだ。18~25歳の若者たちは、必ずしもすべてが“健康で丈夫”というわけではない。
米国では大半の州で、新型コロナウイルスの感染者が急増している。誰もが注意を払わなくてはならない。そして、予防策を講じ、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保たなければならない。