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経済を「再開」すべきかどうかをめぐる政治的な議論はいっさい時間の無駄だとしたらどうだろう。なぜなら、不況を深刻化させているのは政府の命じる閉鎖措置ではなく、新型コロナウイルス感染症にかかることへの人々の不安だからだ──。

バラク・オバマ政権で米大統領経済諮問委員長を務めたシカゴ大学のオースタン・グールズビー教授と、同僚のチャド・サイヴァーソン教授による最新の論文の趣旨をひと言で言えば、そういうことになる。

「客足は全体として60ポイント減少したが、そのうち法的な規制によるものは7ポイントにすぎない。規制よりも個人の選択のほうがはるかに重要であり、その選択は感染への恐れと関わっているようだ」と両教授は分析する。

論文によると、実店舗への客足は法律に基づく命令が施行される前から落ち込み始めており、新型コロナウイルス感染症による米国内の死者数に大きく影響されていた。また、消費者が「混雑した店舗を避けて、比較的小規模ですいている店舗を選ぶようになる」傾向もはっきり見てとれるという。

今回の研究結果は、スウェーデンのように移動や営業に関する規制をほとんど課さなかった国も、ほかの国々と同様に経済が急激に悪化している事実とも整合的だ。

国際通貨基金(IMF)のギータ・ゴピナート首席エコノミストは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は「文字通りグローバルな危機であり、どの国も無縁ではいられない」と指摘する。IMFは6月、世界経済見通しをさらに下方修正した。

IMFの試算では、景気悪化による2020〜21年の経済損失は世界全体でおよそ12兆ドル(約1280兆円)にのぼる。ゴピナートは観光業や娯楽産業に依存した国はとくに大きな影響を受けると予想する。

また、新興国については、リスク選好姿勢の後退を背景とした前例のない資本流出、脆弱な医療体制、景気下支えのための財政余力の乏しさといった課題にも直面していると警鐘を鳴らしている。

編集=江戸伸禎

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