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2020.07.19 08:30

月経周期とメンタルヘルス、その密接なつながり

Photo by OMG / Getty Images

一般的にいうと、気分が落ち込んでいたり、無性にいらいらしたりするときに、女性がいちばん聞かれたくないのが「いま生理中?」という質問だ。そんな質問に、明るく愛想のよい返事を返したいという気持ちは湧いてこない。

月経周期のせいで起こる体調悪化に対処するだけでも、十分につらい可能性がある。出血、乳房の痛み、下腹部痛、体のむくみといった症状は、日常生活を送るうえでかなりの妨げとなる。その上月経周期は、メンタルヘルスとも本質的に深く結びついている。自分の精神状態を注意深く観察すれば、生理不順の理由が見えてくるかもしれない。

推定では、生理がある人の90%以上が、月経周期の全体を通じて、何らかの症状を抱えている。多くの女性が、生理が始まる1週間か2週間前になると、「月経前症候群(PMS)」の症状に見舞われる。たとえば、やけにいらいらしたり、感情的になったり、神経質になったり、不安に苛まれたりするのだ。PMSより症状の重い「月経前不快気分障害(PMDD)」に悩まされている女性も、推定で3%から8%存在している。PMDDは、重いうつ症状や倦怠感、集中力の欠如、パニック発作につながることがある。

月経周期は、生理の1日目に始まる。このとき、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量は少なくなっている。エストロゲンの分泌が少ないことで、脳が放出する化学物質が影響を受ける。エストロゲンの量が少ないと、それに関連してセロトニンの量も少なくなることが、研究で指摘されているのだ。セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれる、満足感を生んでくれる物質だ。

生理が終わると、排卵の準備が始まり、エストロゲン分泌量が再び増加し始める。エストロゲンの量がピークに達するのは排卵の直前だ。同じころに、プロゲステロンの量も増加する。妊娠しなければ、ホルモンレベルは再び下がり始める。こうしたプロセスは、妊娠に向けて体の準備を整える働きをするが、その一方で、気分を乱す場合もある。それに、生理だからと言って、生活のすべてを投げ出せるわけではない。職場や家族、友人が原因で生まれるストレスへの対応は続いていく。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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