2007年創業の「伝説のEVメーカー」が復活
フィスカーは、アストンマーティンやBMWでデザイナーとしての名声を得た後、2007年に最初のスタートアップ「Fisker Automotive」を立ち上げた。同社は優れたプラグインハイブリッド(PHEV)車を開発し、巨額の資金調達を行ったが、事業は失敗に終わっていた。
電池パックの供給停止や技術的な不具合に加え、10万ドルを超えるハイエンド車両の「KARMA」が輸送中にハリケーンの被害を受けたことが原因で、2013年に経営破綻した。
「ヘンリック(フィスカー)は、世界的に著名なカーデザイナーであり、彼をサポートする経営チームは皆自動車業界での経験が豊富だ。優れたチームに潤沢な資金が組み合わさったことで、成長著しいEV業界においてFiskerが成功する確率がさらに高まった」とSpartan の会長兼CEOで、Apollo のシニア・パートナーも務めるGeoffrey Strongは声明で述べている。
FiskerとSpartanの合併後の想定時価総額である29億ドルは、PIPE(private investment in public equity)の株価である1株当たり10ドルをベースに算出しており、Spartanの既存株主の大半が持ち株を償還しないことを前提にしている。
吸収合併による株式の上場は通常のIPOに比べてコストが安く、前例としては、今年ナスダックに上場した水素燃料電池トラックメーカーの「ニコラ・モーター(Nikola Motor)」が挙げられる。LiDARメーカーの「ベロダイン(Velodyne)」も近く同じ手法で上場する予定だ。